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初質問の会議録です
第2号 平成19年10月30日
○松浦大悟君 民主党、社民党から推薦をいただきまして、秋田県において初当選をさせていただきました無所属の松浦大悟と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今日が私にとって初めての質問ということになります。よろしくお願いをいたします。
 まず、自殺対策について質問をしたいと思います。
 大臣、御承知かどうか分かりませんけれども、私の地元の秋田県は十二年連続自殺率が第一位、全国第一位が続いております。こうしたことの原因の多くは経済的困窮だというふうに言われています。中小企業の社長さんが会社が倒産し自殺をされる、あるいは一家の大黒柱のお父さんが借金を抱えて多重債務に陥り自殺をされる、こうしたケースが後を絶たないわけです。
 国では去年、超党派の議員によりまして自殺対策基本法ができました。内閣府を中心に自殺対策の体制づくりが行われました。秋田県においてもようやく行政が重い腰を上げまして、NPOとともに自殺対策に取り組み始めているところです。私は、全国で年間三万人以上の方たちが自殺でお亡くなりになっている、こうした事態、こうしたことはやはり異常だというふうに言わざるを得ません。自殺対策というのは私たちが早急に取り組まなくてはならない課題だというふうに考えています。
 そこで、大臣に質問があります。大臣は、自殺対策において法務省はどのような役割を果たすべきだというふうにお考えでしょうか。地方における弁護士不足を解消するために法テラスというものが開設されましたけれども、現状はまだまだ人手不足という状態です。自殺されたお宅に法テラスの弁護士さんが行かれて整理をされたところ、ああ、これぐらいの多重債務であれば幾らでも任意整理することはできたのにというケースがたくさんあるわけです。死ななくてもよかった人たちが身近に相談できる弁護士さんがいないということで命を絶たれている。
 大臣は所信において、三千人程度に増やす予定の司法試験合格者は多過ぎるのではないかというふうに発言をされました。法曹人口を減らすということになりますと、今までと同じように地方までは弁護士が回ってこないという状態が続くということになろうかと思います。自殺者の数はこれでは減らせないのではないかというふうに考えるわけです。大臣、この方向は果たして本当に正しい方向なのかどうか、大臣のお考え聞かせてください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 初めての質問でいらっしゃるんですか。
○松浦大悟君 はい。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 立派な質問をされますね。
 私、実は二十八歳で初当選して、法務委員会に無所属で配属されて、最初に発した質問が、刑事局長や官房長や事務次官はなぜ検事じゃなければなれないんだと、検事以外になった例はないのか、そうでないと公務員試験に受かった法務官僚はやる気が出ないじゃないかというのが私の第一問であったのに比べると、はるかにレベルの高い質問されて、御立派な人柄がよく表れていると思います。
 ただ、先生に知っていただきたいのは、私は三千人については、先ほど木庭健太郎先生にもいろいろお話があって、よく考えてみなくちゃならない要素が多いと思いますが、昔五百人とか、その前は三百人とか、で、七百人ぐらいになっていくんですかね、それが。だんだん、いわゆる旧司法試験の合格者数が増えていった。ただ、これ、司法制度改革という中で飛躍的に増大させて、これは今、旧試験と新試験と両方合わせて今年で二千三百人ぐらいになった、二千三百人ぐらいが合格と。だから、以前に比べればもう信じられなく増えているわけです。それが本当に三千必要なのかということを私は申し上げているわけで、だからこれからも当分法曹の数、弁護士の数は飛躍的に増大します。
 ただ、そういうところが新たな自殺の原因になる、自殺の原因の一つが司法過疎、弁護士過疎という状況にあるとすれば、これくらいの多重債務だったら弁護士いれば救ってやれたのにという話があるというふうに先生のお話でありますと、そのいわゆる弁護士過疎の解消ということはやりたい、やらなければならない。日弁連が開業資金の、過疎地域で開業するときの無利子貸付けをされるという大変立派なことをされておりますし、法テラスの方も常勤弁護士を、まあ百人ぐらい雇っているのか分かりませんが、もっと雇ってそういう弁護士活動のところに送り込むとか、一生懸命やってみたいと思います。
○松浦大悟君 大臣、格差問題は小泉改革の負の遺産だというふうに言われています。地方ではそれが自殺という形で現れている。最後にすがる、よすがのその弁護士の数が足りないということは、本当に命に直結している問題なのだということを御理解いただきたいというふうに思います。
 続いて、死刑問題について質問をしたいというふうに思います。
 鳩山大臣の死刑自動化発言によりまして、内容の是非はともかく、死刑問題がクローズアップされました。これ、私、非常にいいことだというふうに思っています。なぜなら、一年半後にはいよいよ裁判員制度が行われるわけです。裁判員の審理の対象の多くは死刑にかかわるものだというふうに予定をされています。そうであるならば、国民はより広く、またより深くこうした死刑の実態について知らなければならないというふうに思うわけです。そうすることによって初めて適切な量刑判断ができるのではないでしょうか。
 質問なんですが、今現在、この死刑についてはどの程度の情報公開が行われているのでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 理屈の上では国家の刑罰権というものは刑の執行そのものに限られるわけであって、その刑罰権の作用、それを超えて刑の執行を受けた者やその関係者に不利益や精神的苦痛を与えることは相当でないというふうに従来理論付けられてきたんだろうと思うわけでございます。したがって、執行された遺族の感情、あるいはここまで来たから次はおれかというような意味で他の死刑確定者の心情の安定とかいうようなことで弊害があると、こういう考え方で来たわけです。
 ただ、他方、国民の理解を得るためには可能な範囲で情報を公開する必要があるということで、現在は死刑執行後に死刑を執行したという事実と人数だけを公表するということになっております。ですが、今省内で勉強会をいたしておりまして、情報公開についても、あなたのような意見を取り入れて、少し考え直していこうかという空気はございます。
○松浦大悟君 では、海外においてはどのような状況になっているでしょうか。
○政府参考人(大野恒太郎君) 海外におきます死刑の情報公開の関係、網羅的に把握しているものではありませんけれども、私どもが調べて分かりました範囲では、例えばアメリカ合衆国のある州におきましては、死刑執行後に死刑の執行を受けた者の氏名、人種、性別、それから犯罪年月日、執行日や死刑判決から執行まで要した期間などについてホームページに掲載して公開していると、こういう例もあるというように承知しております。
○松浦大悟君 先ほど大臣おっしゃられたように、これまでは死刑囚のプライバシーの問題ですとか遺族感情をおもんぱかって情報公開を行うべきではないという議論があったかと思うんですが、私は次のステージに突入しているというふうに思うんです。まあそうした感情に最大限配慮をしなければならないということは申すまでもない話なんですけれども、この国が裁判員制度という制度設計をした以上、そのシステムが適正に作動するような、そういう条件整備をしていかなければいけないというふうに思っております。
 大臣、例えば昼御飯を選ぶときに、AランチかBランチか選ぶときに、そのランチの内容がエビフライなのかハンバーグなのか、それともカレーライスなのか分からなければ、ランチの選びようがありませんよね。この裁判員制度における量刑判断もそれと同じだというふうに思います。死刑といったものがどういう内容のものなのかということが分からなければ、これ判断のしようがないのではないでしょうか。
 例えばこういう話があります。ある歌手の人が下積み時代に喫茶店でアルバイトをしていました。その喫茶店にお客さんが来て、ウインナーコーヒーを注文されたんです。その歌手の方は当時、ウインナーコーヒーとはどういうものかということを知らなかった。それで、フライパンでウインナーをいためてコーヒーと一緒に出したんだそうです。ところが、そのお客さんは、それを黙ったまま食べてお店から出ていかれたということなんですね。つまり、そのお客さんもウインナーコーヒーとはどういうものかということを知らなかった。つまり、お互いウインナーコーヒーというのはどういうものなのか知らなかったにもかかわらずコミュニケーションだけが前に進んでいったという、こういう笑い話なんです。
 私は、裁判員制度においてもこうした事態になるのではないかというふうに危惧をしております。死刑についてよく知らない裁判素人の市民が死刑の実態を踏まえないコミュニケーションを重ねていくのではないか、大変怖い事態だというふうに思っています。私は、できる限り国民に死刑についての情報公開をすべきであろうというふうに考えます。本人や家族が了解をすれば、被害者遺族やジャーナリストなどの立会いを認めてもいいのではないか。もし受刑者が望むのであれば、カメラによる撮影も認めてもいいのではないかというふうに思います。もちろん、いつ、どこで、だれが処刑されたのかを事前に予告することは、まあこれは言うまでもありません。こうした完全情報がもたらされて初めて国民は、量刑についての判断ができるのではないでしょうか。
 裁判員制度が始まる前に死刑の完全情報公開をすべきだと思いますが、大臣のお考えを聞かせてください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど丸山先生から、死刑の告知を三か月ぐらいにして、その中で確定した方に選ばせたらどうだという、非常に一つの考え方を示唆するものを御提起いただいた。で、あなたのおっしゃっていることは基本的に間違っていないと思います。つまり、裁判員裁判というのは、百円盗んだ、五百円盗んだという裁判に出てくるわけじゃないわけですから。死刑が刑罰に含まれる事件は一〇〇%裁判員裁判でやると。そのときにやっぱり死刑というのを、人を裁いて死刑という量刑をするというのがどういうことであるかということを、やっぱり裁判員の方にできるだけ分かっていただく必要があると。
 私は、ちょっと後付けみたいな言い方で良くないかもしれませんが、死刑とか死刑の執行というのはタブーであって法務大臣というのはそのパンドラの箱を開けないものだということを私にささやいた法務官僚はいましたけれども、なら、開けてやろうじゃないかと。やっぱり議論はした方がいいんですよ。それは死刑廃止論も聞かなくちゃならないと思って、それはもう覚悟の上で。
 で、いろんな議論があって、死刑というのはどういうものかと。その執行が、例えば私も知らなかったのが実はあるんですよ。絞首刑というのは、あれ、刑法の前の方に書いてあるんですね。私も大学で刑法は取ったんだけれども、随分前の方に、刑法というのは、死刑は絞首によって行うと書いてある。そういうこともみんなで議論をして、絞首が一番いいのか、ほかにもっといい、安らかな死というのはあるかどうかという議論だってしたらいいと思うんですよ。そのパンドラの箱を開けてどんどん議論する中で、結論はそう簡単に出るかどうか分からない、そういう中で裁判員制度を迎えたいと思うし、あなたが言う、だから死刑の執行についてもできる限り国民に知らしめたらどうだということも有力な意見の一つとして承っておきます。
○松浦大悟君 国民が死刑とはどういう内容のものかということが分からないから、今国民世論が激高しているんだというふうに私は思っています。死刑の完全情報公開をしてもなお国民が、それでも死刑を望むというのであれば、これは仕方がないことだというふうに私は思いますが、しかし私は、国民の多くは死刑の内実を知れば死刑について慎重にならざるを得ないというふうに思っています。その観点から、私は死刑の完全情報公開を求めたいというふうに思っております。
 次に、刑事訴訟法四百七十五条第二項は、死刑執行の命令は裁判確定の日から六か月以内にしなければならないと規定していますが、実際には平均七年以上掛かっています。時間が掛かっている理由と、その間どのようなことが行われているのか、お聞かせください。
○政府参考人(大野恒太郎君) 死刑の執行につきましては慎重を期するという趣旨から、刑事訴訟法四百七十五条第二項、今委員の御指摘ございましたけれども、このただし書では、上訴権回復、再審請求、非常上告又は恩赦の出願等がされ、その手続が終了するまでの期間等についてその期間に算入しないということが規定されているわけであります。
 判決確定の日から執行までの平均期間が七年を超えるということの理由の一つといたしましては、確定者の中には再審請求や恩赦の出願を再々行っている者がいるというような事情等もございまして、関係記録の検討等に慎重を期しているということがあるわけであります。それと同時に、現在、死刑の確定者数に比べまして執行者数が相当少ないという実情もございます。
 そんなこともありまして、死刑が確定してその執行がなされぬまま長期間を経過する者が増えているというような状況にあるわけでございます。
 以上です。
○松浦大悟君 つまり、人命を奪う不可逆的な刑罰であるから慎重になっていると。
 これは違法状態ではないということでよろしいんでしょうか、再度確認させてください。
○政府参考人(大野恒太郎君) 法の規定と開きがあることは、これは明らかでございますけれども、これが例えば国家賠償であるとかあるいは職務上の職責が問題になるというような、そういう意味での違法状態とは直ちに言えないんではないだろうかというように考えております。
○松浦大悟君 今、違法状態ではないという答弁がありましたが、大臣は週刊誌のインタビューにおいて、違法状態ですとか法治国家ではないという発言をされております。今もその考えというのは大臣はお変わりないでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 兄に、違法状態だぞと、放置するのかと、こう言われてかなり強い影響を受けておりまして、だけど逆に言えば、それは違法状態を解消しようといったら、じゃ半年間で百人以上かと、そんなことできないよというようなのが政治家同士の会話でございます。
 ですから、やはり違法に近い状態だという表現は取らざるを得ないでしょうね。だって、法律が要請している状態ではないわけですから。法の期待する状況になってない、違法に近い状態であるということは間違いないと思います。
 ただ、その規定の趣旨からいって、人の命を奪う不可逆的な刑罰でございますので、そこのところは違法とまで言い切れるかどうかというのは微妙なところだろうと思っておりますが、だから先ほどから申し上げておりますように、精査するのに半年間で本当にいいのかと、足りないんじゃないのという問題提起もいたしておるわけでございます。
 なお、委員長にちょっとお願いがあるんですが、質疑通告で、例えば先ほどからこの優秀な、私より優秀なお二人がおられますので、先ほど質疑通告がありながら質問がなくて非常にがっかりしておられる方もいますので、次回辺り、先生方にも、私より優秀な副大臣や政務官に答弁の機会を与えていただければ有り難いと、諸先生方にお願い申し上げます。
○松浦大悟君 大臣から御答弁いただきましたけれども、私は法務大臣が法律を破ってはいけないというふうに考えます。ですので、大臣は大臣就任中に何らかの形で処刑をされるものだろうというふうに考えております。
 何人処刑をされる予定なのか、聞かせていただきたい。長勢大臣、前任の大臣は十か月間に十人という異例の速度で死刑を執行いたしました。鳩山大臣も同じようなスピードで執行されるのか、それとも更にスピードを上げて百人強の死刑確定者の処刑をされるのか、それとも以前の法務大臣のペースに戻して慎重に対処をされていくお考えでしょうか。どの程度死刑執行を予定をしているのか、お聞かせください。
○委員長(遠山清彦君) 質疑時間は終了しております。鳩山法務大臣、簡潔に御答弁お願いいたします。
○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、今慎重に考えております。処刑という言葉は何となく抵抗がありますので、刑の執行ということで考えております。
○委員長(遠山清彦君) 本日の調査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。
   午後三時五分散会
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by まつうら ¦ 11:54, Tuesday, Nov 13, 2007 ¦ 固定リンク

 


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