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【法務委員会】7月7日(火)後半〜DV等と在留資格の取り消し、難民認定問題〜
○松浦大悟君 次に、在留資格取消しとDVの関係についてお伺いをいたします。 六月三十日の当委員会の審議におきまして、離婚や親権等の係争中については在留資格の取消しの適用除外となる正当な理由に当たるとの答弁がなされました。今回の修正により、外国籍配偶者の身分の安定が図られた結果だと認識をしております。ですが、現在でも、係争中に在留資格の更新時期を迎えた際に長期にわたり申請中とされたり帰国準備の特定活動が出されるなど、日本人の配偶者等が認められないケースもあります。 そこで質問ですが、裁判を受ける権利の保障という観点からも、就労可能な安定した在留資格の更新や変更を速やかに認めるべきではないでしょうか。在留資格が不安定なため、生活を安定させられず、結果として子供の親権を獲得できなくなるなどの影響も出かねないと思います。修正案提出者としては、この点、どのような運用を期待して修正をされたのかお伺いしたいと思います。 ○衆議院議員(細川律夫君) 松浦委員の御質問にお答えいたします。 裁判中に在留期間が更新時期を迎えると、この場合に、それが一体どうなるかによって大変当事者にとっては強い影響が出てくるだろうというふうに思います。とりわけ親権を父親か母親かということを決めるような場合に、一体収入がしっかりあって生活が安定しているかどうかとか、そういうようなことなども大変影響もございますので、そういうことを考えますと、裁判中の運用ということについては、これはその外国人に不利にならないような公平な形でしっかり行われなければならないというふうに私は思っておるところでございます。 そういう意味で、在留期間の更新とかあるいは在留資格の変更に際しては、外国人の人権の保護や、あるいはその生活の安定に十分資するような、そういう運用がなされなければいけないというふうに考えております。したがって、裁判中に在留期間が来て更新の申請をした場合には、私はやっぱり、速やかにその手続を行うと、こういうことも必要ですし、また、変更の申請がされた場合も、これもまた、その変更の理由が正当ならば、これはもう速やかにそれを認めるというふうな運用にすべきだというふうに考えております。 ○松浦大悟君 在留資格の取消しに当たっては、変更申請の機会を与えるなどの配慮が盛り込まれました。また、六月三十日の審議において、子供のいない場合でも、おおむね三年の在留期間があれば定住者への在留資格の変更を認めているとの答弁が西川入管局長からなされました。このような基準を是非ともガイドラインにしてもらいたい、このような基準をガイドラインとして公表すべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。 これまで、在留資格の取消し制度自体が外国籍配偶者を従属させDVを引き起こし潜在化させる要因になっていたのではないかと私は思っております。在留資格の変更の基準をある程度明確化させることでそのような被害を抑えることができると考えるのですが、このガイドライン化について法務省の見解を聞かせてください。 ○政府参考人(西川克行君) 定住者については、非常に定住者というのはたくさんのものを含んでおりまして、個々の事案により具体的な事情が異なるための許可要件をガイドラインとしますというのは、これはなかなか難しいものがあろうというふうに思います。 ただ、委員御指摘のとおり、実態を伴った国民生活が継続している、これは大体おおむね三年あれば定住者という形で認めていると、これは実情でございます。さらに、ほかの要件も含めまして、日本人の配偶者等の資格から定住者への変更というものについては更なる明確化、客観化に向けて努力をしてまいりたいというふうに思いますし、その透明性を向上させて申請者の予測可能性を一層高めるという観点から、例えば各国語で作成したパンフレットやホームページによって案内していくと、こういうことも考えたいというふうに思っております。 ○松浦大悟君 在留資格の取消し制度はDVを引き起こし潜在化させる要因ともなり得るという観点から、このガイドライン化を始め、どのような場合に在留資格が更新や変更ができるかなどの情報を外国籍配偶者が知ることのできるようにしていかなければならないと思います。日本人の配偶者といえども、三年程度の短い在留期間だと日本語を読むことまでは難しいという可能性もあります。新制度の導入に当たって、正しい情報提供を行うには多言語で周知徹底させなければならないと思いますが、周知徹底の方法についてどのような方法を考えていらっしゃるのか聞かせてください。 ○政府参考人(西川克行君) 配偶者の身分を有する者についての在留資格取消し事由等につきましては、当委員会における御審議それから衆議院での修正等を踏まえまして、私どもといたしましても、DV被害者の方々等の保護に欠けることのないように努めてまいりたいと。この観点から、外国人の方々に新たな制度の内容や趣旨についてきちんと理解してもらうということが大変重要であるというふうに考えております。 このためには、地方入国管理局の窓口においてリーフレットの配布を行うほか、市区町村であるとか関係行政機関あるいは在外公館、それから国内外のメディアの協力も得まして、施行までに周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。 ○松浦大悟君 それから、もう一点確認をさせていただきたいんですが、在留資格の取消しに関連して、六月十九日の衆議院での審議において、居住地、住居地の届出義務化と怠った場合の在留資格の取消しについて、派遣や請負で働き住居を転々としている場合は適用除外となる正当な理由に当たるとは必ずしも言えない、ただし本制度は弾力的な運用を行うとの答弁がなされました。 しかし、外国人集住都市に多く居住するブラジル人やペルー人の場合、派遣会社が住居、就労先、学校など生活全般を管理しているという実態があります。就労先に合わせて住居地を転々とするということは、これは本人の責めに帰すべき問題とは必ずしも言えないのではないか。また、派遣切りに遭い、知人宅を転々としている場合などもあります。生活の本拠としての住居地が定められない場合などもあります。これら、本人の責任とは言えない場合は、この制度の適用除外とすべきではないかと考えますが、法務省、いかがでしょうか。 ○政府参考人(西川克行君) 住居地の届出違反に係る在留資格取消し事由についてですが、例えば派遣切りであるとか急に会社が倒産をしてしまったとか、外国人の責めに帰すことのできない理由によって経済的に困窮して定まった住居を有しなくなったと、この場合については正当な理由がある場合に当たる場合もあろうというふうに思います。 ただ、この点については、本人がどれだけ努力したかとかいろいろ難しい問題がございますけれども、もし正当な理由に当たると真正面から認められない場合でありましても、硬直的にそうなったから九十日たってすぐ取り消すということは考えておりませんで、以前から御説明申し上げていましたとおり、本人とも話をして、ある程度機会を与えて、弾力的に運用していきたいというふうに考えておりますので、硬直的に住所を失ったのですぐ取消しというふうに考えているわけではございません。運用の方で十分賄えるというふうに考えております。 ○松浦大悟君 次に、難民問題に移らさせていただきます。 法務省は、平成二十二年度から第三国定住として、ビルマの難民をタイの難民キャンプから三十人三年間パイロットケースとして受け入れるということになっております。森大臣は、さきの衆議院法務委員会でこの三十という数について、全体からすると本当に琵琶湖の水をひしゃくでかき出すようなもので誠に少ないと述べておられます。 日本の難民受入れは、第三国定住を含めても三けたに届かないのが実態であります。国際人権規約委員会は、申請の数との関連で難民認定の割合が低いままであること、難民申請者がその間就労を禁じられ、かつ、限られた社会扶助しか受けられない難民申請の手続にしばしばかなりの遅延があることに懸念を持って留意すると所見を述べております。 この入管法の改正という節目の時期に、森大臣はこの難民行政の在り方についてどのような基本認識をされているのか、今後はどのようにこの受入れを拡大するのかについて明らかにしていただきたいと思うのですが、お考えを聞かせてください。 ○国務大臣(森英介君) 我が国の難民行政につきましては、これまでも政治的迫害などから逃れて我が国に庇護を求める者を確実に難民として認定し保護するという姿勢で臨んできております。 近年、難民認定申請件数が急増しておりますが、申請件数の多い国々に関する基礎資料の整備や専門的知識を有する職員の養成などにも努めまして、処理期間の短縮に向けて最大限努力していきたいというふうに考えております。 また、難民条約上の難民に該当しない申請者につきましても、本国の事情、経歴、家族状況などを個々に考慮して、人道的な配慮が必要な場合には我が国への在留を特別に認めているところでございまして、今後とも申請者の置かれた立場等に十分に配慮した対応を行ってまいりたいと存じます。 これに加えまして、今委員からも御指摘ありました、言及されました人道支援及び国際貢献の観点から、第三国定住による難民の受入れを平成二十二年度からパイロットケースとして開始することとしております。この第三国定住による難民受入れは、当初は十分把握可能な範囲で受け入れ、適切な定住支援を実現するために三十人という小人数から開始するものとしたところでございまして、この三十人という数については、全体の難民キャンプ等の人口からいたしますと、先ほど申し上げましたように、大変現状においては少ないというのは私の率直な感想でございますけれども、あくまでもこれはパイロットケースでございますので、これを実施した後に様々な角度から課題の検証を行った上で、受入れ人数の拡大の適否を含めまして、定住支援の在り方等につきまして政府全体として更なる検討を行うことといたしております。 今後とも、他の関係省庁とも連携し、第三国定住難民の積極的な受入れに貢献をしてまいりたいと思っているところでございます。 ○松浦大悟君 今、難民認定に平均して二年の時間を要しているんです。審査をする法務省が外国の諸事情についてプロではないということが大きな原因ではないかと言われております。例えば二〇〇二年から二〇〇五年に入国管理局が出入国情報の収集のために外注した翻訳を見ますと、北朝鮮関連が四件、イラン関連が二件、ビルマ関連二件、トルコ関連一件、カメルーン関連一件、マレーシア関連一件、バングラデシュ関連一件、パキスタン関連一件となっていまして、これでは到底、様々な国からやってくる難民申請者の把握ができるとは言い難い。 そこで、諸外国の政治、人権状況などの資料を蓄積した難民資料センターのようなものをつくる必要があるのではないかと考えますが、この難民資料センターをつくる構想についてどのようにお考えになるでしょうか。 ○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、難民認定の判断を行うためには、必要な諸外国の事情等に関する資料が必要となるということでございます。したがって、法務省入国管理局と地方入国管理局におきましては、常日ごろから、外務省作成資料とか例えばUNHCRの作成資料であるとかアムネスティ・インターナショナル等のNGOの事件報告、一般書籍、報道、インターネット資料等、様々な手段によって最新の情報を収集するということを努めております。 御指摘のありました難民資料センター、これ、設置構想につきましてはその詳細を知りませんけれども、こういう情報を得られる場所があるとすれば、難民の取扱いについては更に充実したものになるというふうに考えておりますし、いずれにいたしましても、これら難民関係の資料を充実させることは適正かつ迅速な難民認定業務を遂行するに当たり非常に重要な事柄でございますので、今後とも充実に努めていきたいと考えています。 ○松浦大悟君 今現在、難民調査は密室で行われておりまして、本当に正確な調査が行われているのか検証不可能だという指摘もあります。これは事実なのかどうか、法務省に聞きたいと思います。 ○政府参考人(西川克行君) 難民調査で本人それから関係者から事情聴取いたしますが、それに関しては調書という形でまとめているというところでございます。よく調書についての開示請求がなされておりますけれども、ほとんど開示、本人からの分については応じておりますので、必ずしも密室の中というのは当たらないのではないかなというふうに思っております。 ○松浦大悟君 これ、取締りの可視化問題とも共通する問題だと思いますが、そのときの通訳が果たして正確に訳されているのか。母国語による通訳が行われないケースもあると聞いておりますが、これは事実ですか。 ○政府参考人(西川克行君) ほとんどの場合についてはなるべく母国語の通訳を付けるというふうに努力をしているということでございます。ただ、少数民族の場合でどうしても母国語の通訳が得られないという場合がございます。この場合に同国人に通訳をさせるというのは、これもまたそれはそれで問題がありますので、本人の理解する他の言語の通訳に頼らなければならない場合もあるというふうに聞いております。 ○松浦大悟君 そうした場合に十分な諸事情を勘案することができないのだろうというふうに思います。 そこで、退去強制手続、難民認定手続で拷問を受けるおそれのある事実の有無を調査する審査要領を作るべきだというふうに考えます。送り返された先で拷問を受けるなどのことがあってはならないと思うのでこうしたことを提案させていただくんですが、その点についてはどうでしょうか。 ○政府参考人(西川克行君) 今回の改正において、送還先の人権状況に関しまして、送還先への送還が難民条約だけではなくていわゆる拷問禁止条約が定める送還禁止規定に抵触する場合については、そこに送還してはいけないという明文が設けられたということでございます。この判断におきましては、入国警備官の違反調査、入国審査官の違反審査、それから特別審理官による口頭審理、さらには異議申立てによる調査で必要な供述を得ますが、最終的には主任審査官がその判断をするということになろうというふうに思います。 この送還先の決定が適切になされる必要がありますが、事案によっては難民審査参与員など送還候補地の事情に精通した専門家の意見を聴くなどすることが適当である場合も考えられますので、送還先の決定に係る手続につきましては、委員御指摘の点も含めまして、いま一度検討の上、地方入国管理官署に関し指示文書をもって徹底するなど、一層適切な対処に努めてまいりたいと考えております。 ○松浦大悟君 難民認定手続において当事者から様々な不満が出ているということでありますので、十分審議をしていただきたいと思います。 それで、難民調査官、難民審査参与員、特別審理官などに対して拷問禁止条約に関する研修を行うべきではないかと思いますが、この点についてはどうでしょうか。 ○政府参考人(西川克行君) 入国管理局といたしましては、例年実施している人権研修や難民調査官を対象とした研修等の場において拷問禁止条約を始めとする人権関係諸条約について研修を実施しているところですが、今後は、今回の法改正の趣旨も念頭に置いて、外部専門家の講師としての招聘を拡充するなどして研修機会及び内容の充実に努めてまいりたいと考えています。 ○松浦大悟君 いずれにしましても、行政の基本は情報公開とアカウンタビリティー、説明責任ですから、透明性を持ってお仕事に臨んでいただきたいと思います。 時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。
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10:30, Tuesday, Jul 07, 2009 ¦ 固定リンク
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