国政報告

 
 


【決算委員会】平成22年4月26日(月)前半
○松浦大悟君 民主党・新緑風会・国民新・日本の松浦大悟です。赤松大臣、郡司副大臣、舟山政務官、よろしくお願いいたします。
 先週から事業仕分が始まりました。予算がどのような仕組みで成立していくのか、その過程を明らかにしていくということは、私は大変意義深いことだと思っております。お任せ民主主義ではなく、国民の一人一人が自分たちの税金がどのように使われていくのかということをしっかりとチェックできる、参加する政治への第一歩だと考えております。
 私は、今回は事業仕分とは別の特別会計検証チームというのに入っております。決算の立場からもこの特別会計をしっかりとチェックしていくことも大変必要なことだというふうに考えています。今日はそうした観点から幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、その特別会計検証チームの検証作業で気になった点から質問をさせていただきたいと思います。
 私は食料安定供給特別会計の担当だったんですが、農業経営基盤強化勘定の中に国有農地の管理という事業があります。これは、会計検査院の平成二十年度決算検査報告でも指摘されていることなんですが、これの三百二十八ページにございます。国が持っている農地というのは結構あるんですね。
 簡単に言いますと、これは戦後の農地改革で国が小作人に売り渡すために不在地主などから買収した土地なんだそうです。大部分は小作人に売り渡されたそうなんですが、小作人が買い付けの申込みをしなかったりして、そのときに余った分があると。それが何と面積にして四千三百八十万二千七百十七平方メートル、東京ドーム九百三十七個分だそうです。単純に思ったのは、これがひょっとして農地として使われていないのであればもったいないことだなというふうに思いました。
 これ、どれぐらいの農地がどのような状態であるのかということを疑問に思いまして、質問取りのときに農水省の方にお伺いをしたんですが、把握していないと言うんですね。数が多くて分からないというふうに言われました。会計検査院に指摘されたところは分かるんですが、すぐにはデータとして出すことはできないというふうに言われました。私、そんなことがあるのかなと思いまして、会計検査院に電話をして聞いたんです。そうしたら、ありますよと言うんです。会計検査院の方では、貸付けしているところはすぐに分かると、住宅として貸し付けたところは固定資産税評価額も分かりますと。ただし、農水省さんから預かったデータなので、農水省の許可がなければ先生にお出しすることはできませんというふうに言われました。
 会計検査院も会計検査院だなというふうに私は思ったんですが、これはデータを管理しているのかいないのか。もしこれ管理していないのであれば随分ずさんな話だなというふうに思うんですが、まずその現状はどうなっているのかということをお聞かせください。

○大臣政務官(舟山康江君) お答えいたします。
 まず、この農業経営基盤強化勘定で管理しております農地というのは、御指摘のとおり四千三百八十ヘクタールであります。この内訳といたしましては、農地等、これは小作農に売り渡すために買収した元々農地ですね、農地については六百二十九ヘクタール、それから開墾して農地にするために買収した山林原野、こういったものが三千七百五十一ヘクタールあります。それぞれ所在等については把握しておりますし、その貸付け、転用貸付けの実態というものもこちらで人数、面積ともに把握しております。
 具体的に申し上げますと、この四千三百八十ヘクタールのうち、二十年度決算の数字でありますけれども、貸し付けられているものは、三千七百二十一人に対しまして二百五ヘクタール、全体の五・五%ですけれども、こういった形が貸付けという形で利用されております。逆に言いますと、これ以外のものは貸付けも売渡しもできていない、そんな土地だということで、こういった状況、私も委員からの御質問を受けまして、何でこんな状況になっているんだろうとちょっと調べさせていただきましたけれども。
 これは言い訳するつもりも全くないんですけれども、やはりこれ、かなり古いものであって、基本的には当然農業者へ売却すると。それから、買受人がいない場合には買収前の所有者、若しくはもうお亡くなりになっていれば一般承継人に売却するということで速やかに処分することが基本になっているんですけれども、今までサボって何もやってこなかったのかというとそうではないんですが、なかなか、小作農に貸し付けている農地はやはり買うと高い、今は非常に、先ほど来の御質問の中でもお答えさせていただきましたけれども、やはり農業の収益性が非常に悪いということでなかなか買えない、だから借りたままにしてほしいということ。
 それから、開墾して農地にするために買収した山林原野は、売り戻したいんですけれども、もう世代交代してそんなもの要らないという方が非常に多くて、買受け希望がないということ。そして、買受け希望がなければ一般競争入札による売却となるんですけれども、それについてもなかなか落札されないということ。
 あとは、公図の上で買収したけれども、現状と公図が違っていて、その境界画定とか非常に手間が掛かるということもありまして、そうはいってもきちんと進めなければいけないんですけれども、そんな状況で処分が進んでいないと、そういう状況があります。
 ただ、これについても管理費が掛かりますので、鋭意きちんと処理をするように、今まで以上に力を入れていかなければいけないなと思っております。

○松浦大悟君 これは私も調べるまで全然分からなかった話で、これ、国民の皆さんも多分そうだと思うんですよ。買手がいないという話なんですが、知らないからそういう情報はないわけですから、買おうにも分からないわけですよね。
 この情報をオープンにしていただきたいなと思うんです。どこにどういう土地があるのかという住所を知りたいんです。それはお出しいただくことはできますでしょうか。

○大臣政務官(舟山康江君) これは当然お出しすることはできます。
 情報につきましても、例えば一般の不動産を取り扱っている方々と協力をしながら、いろんなインターネット上で情報を提供するとかそんなこともしているんですけれども、まだまだ足りないという状況だと思いますので、これからそういう努力は今まで以上に進めていきたいと思っております。

○松浦大悟君 都心だとかなり高額な土地の評価額になると思うんですけれども、これは時価でどれぐらいの資産額があるかということはお分かりになりますか。

○大臣政務官(舟山康江君) これは、この農業経営基盤強化勘定で管理している農地については国有財産台帳というのがあります。この台帳の中では簿価で評価されておりまして、この簿価の総計は四億円となっています。
 これは、基本的には国有財産につきましては時価で評価しろということになっているんですけれども、幾つか例外がありまして、簿価で管理するべきだというものがあります。そのうちの一つがこの国有財産、これは元々は所有を目的とするわけではなくて売渡しを目的とするというものだということで、あえて評価替えをせずに元々の簿価で管理をしているような状況でありまして、これは国有財産法の施行令、それからその中で適当でないものとして財務大臣が指定するものと、そういった規則の中で定められているものであります。

○松浦大悟君 昨日、農水省の方にお伺いしたときに、その国有財産法施行令というのが財務省理財局長から各省各庁国有財産総括部局長あてに出されているんです。これに、食料安定供給特別会計の農業経営基盤強化勘定に所属する財産、これは、下記の財産は、国有財産の台帳価格を改定することが適当でないものとして指定されたので、命により通知するということが書かれているんですね。
 なぜこういう通達ができたのかと聞いたら、いや、戦後、小作人に速やかに売り渡すことが前提だったので時価に計算する必要はなかったんだと、する必要がないということで、今戦後六十何年ですか、今日まで来てしまったということなんです。
 ただ、現段階において売れていないわけですから、これ当時と状況が違っているわけなので、是非ともこれを時価で計算して国民にお示しいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○大臣政務官(舟山康江君) 実際に、これ売渡しをするときには時価を基準に、そのときそのときで時価を計算させていただいて、その中の例えば十分の七というものを掛けて売却するとか、そういった形で売渡しをしているんですけれども、管理上その評価替えをすることが適当なのかどうか、それについては今後慎重に検討して、どうするのが一番売却が進むのか、その管理にとって一番いいのかということは慎重に検討していかなければいけないなと思っております。

○松浦大悟君 特別会計検証チームでは、簿価では意味がないと、是非時価で調べてほしいということでありますので、それも検討していただきたいと思います。
 それで、私、独自に調べてみたんです。平成二十年度の会計検査で指摘された無断転用された国有農地の所在地ということで、例えば練馬区の石神井台というところですとか練馬区の関町南、足立区六町、葛飾区の宝町だとか今いろいろあるんですけれども、その中で江戸川区の中葛西というところがあります。
 これは七百四十・一四平米の土地を無断に転用しているということなんです。この江戸川区の中葛西がどれぐらいの時価で土地の評価額があるかということで、インターネットで不動産屋を調べました。そうしたところ、これは駅から十分ぐらい歩いたところの土地だということなんですが、三百四十八・四八平方メートルで一億五千五百万円だということなんです。それで、この無断転用された国有農地、江戸川区中葛西は、七百四十・一四平米、坪に直すと二百四十坪くらいですから、ちょうど倍ぐらいですよね。単純計算で倍にすると三億なんです。
 それで、それ以上かもしれない、もしかすると、駅に近ければですね。これぐらいの時価に直すと評価額があるということなので、これだけ財政難を大騒ぎしている中でもったいないと思うので、何とかこれを活用できないかなという気がするんですが、いかがでしょう。

○国務大臣(赤松広隆君) 委員に申し上げたいと思うんですが、これは単に国有地と一般論で論ぜられれば今言われたとおりだと思うんですね。しかし、あくまでもこれは農地なんです。全国で四千三百八十ヘクタールあって、金になりゃ何でもとにかく売っちゃえばいいと、私、確かに今の石神井辺り、私も高校はあの辺り行っていましたから分かりますが、石神井辺りの都市化されたところは物によってはそういう売り方もあるかもしれませんが、四千三百八十のほとんどは、いわゆる優良農地にして日本の食料生産のためにといって開墾したり、あるいは大地主から取り上げて小作人の人たちにちゃんとした農業をやってもらおうというのが元々の趣旨の土地なんです。ですから、国の財政状況が厳しいというその視点は別に否定はしませんけれども、高く売れりゃ例えばパチンコ屋でもマンションだって何だっていいじゃないかと、たまたまある農地の中にぽこんとあるような土地もそこだけ農転ばんばん認めて何でも高く売れればいいということではちょっとないんじゃないかなと。
 ですから、私は、それぞれの地域の用途に合った形、あるいは処分をすることによって財政にはプラスになるかもしれないけれども、しかしそこは本来優良農地として使われるべきだというものは、改正農地法じゃありませんけれども、むしろ以前よりももっと厳しく農転を認めないというぐらいのこともないとこれは国策としてはちょっとやっぱりまずいんではないかということで、いろんな多分場所もそれから用途もそれぞれ違うと思いますので、委員の御質問の趣旨は分かりますので、それに合った形で、本来ここはもう農地としてではなくてほかのもので考えた方がいいんではないか、その方がまた有効に生かせられるんじゃないかという趣旨は分かりますので、一回それでもってすべての国有農地については点検をさせていただくということにさせていただいたらいいんではないかというふうに思います。

○松浦大悟君 そうだと思うんです。
 それで、大臣も調べていただきたいんですけれども、農地として使われていないものも結構ありまして、例えば東京都の都心部などでは無断転用されているものが多いというふうに聞いております。どのような形で転用されているのか、お聞かせください。

○国務大臣(赤松広隆君) 全体で四千三百八十ですから、これまた地域によって、私の地元の愛知県なんかは全部合わせても十ヘクタールしかないんですね。ほとんどもうないと言っても等しい自治体もあれば、東京なんかは、小作地として二十七ヘクタール、山林原野で十九ヘクタールということで合わせて四十六ヘクタールぐらいということですから、多分山林原野というのはずっと三多摩の方のあの地域なんだろうと、小作地ということは多分今言われた練馬区だとかそういうところの部分もあるんだろうなというふうに思いますので、これは一回そういう個々の、今申し上げたように、全国もいろんな状況があると思いますので点検をさせていただいて、そしてそれに対する基本的な考え方を整理をしてみたいというふうに思います。

○松浦大悟君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 都市部などでは店舗などになっていたりだとかという形で、農業以外に土地の利用価値が高いからだという理由だと思いますけれども、そういうふうになっていると。それでは、自作農創設といった本来の目的からは逸脱してしまうというふうに思うんです。特に、長期滞納ですとか無断転用など悪質な事例については、これ契約を解除するとかそうした措置が必要ではないかと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○国務大臣(赤松広隆君) 基本的には農地としての国有地なものですからあれですが、今、政務官等にチェックをさせたところ、一部には転用貸付けもしているところもあると、多くはないと思いますが、そういうところもあるということですから、まずそれぞれの、トータルでいえば、さっきも何回も言いますが、四千三百八十なんてとてつもない広い面積、しかもそれが全国に点在しているという状況ですから、その実態について一度総点検させていただきたいと、このように思います。

○松浦大悟君 その今おっしゃった転用貸付地なんですが、公用ですとか公共用に利用するために学校ですとか公園などとして貸付けを行っているというところもあると聞いているんですけれども、それが今更戻ってくるとも思えませんし、そうすべきでもないと思うんです。それを売らずに貸付けのままにしているという理由というのは何かあるんでしょうか。

○大臣政務官(舟山康江君) その公用の転用貸付けにつきましては、買受けの申出があればいつでも売却が可能ですし、できるだけ売却をしていくと、そういった方向で取り組んでおります。
 ただ一方で、やはり地方公共団体などの厳しい財政事情があってなかなかその買受け希望も少ないと、そんな状況になっております。例えばこれ、転用貸付けですね、地方公共団体が非営利事業の用に供する場合については、例えばその土地の固定資産税評価額の百分の二で貸付けをしているわけなんですけれども、こういった場合に売却というのは可能なわけですけれども、今申し上げましたとおり、なかなか買受け希望も少ないという状況があります。特に、やはり都心でありますと非常にその評価額も高いということでなかなか厳しいという、そういった背景があると思います。
 少なくとも、農水省というか国の方で、あえて売却はしないということではなくて、これ実際に、できるだけ、元々の趣旨は、やはり農業の用に供するために強制的に買収をして売渡しをしようといった土地ですけれども、今そういった時代の流れに応じて転用貸付けをしていると。この実態が、今把握している中で、全国で六百四十一件、約七十三ヘクタールという状況になっておりますけれども、こういったものですね、この中でなかなかその売却が進んでいないという状況については、やはりその原因等をきちんと精査した上で、そういった買受けが進むように自治体にも呼びかけていく、働きかけていくと、そういったことも必要なのかなと思っております。

○松浦大悟君 次に、全国農地保有合理化協会について伺いたいと思います。
 これはどのような事業を行っているのか、協会の官庁出身者、いわゆる天下りの実態はどうなっているのか、積立金、剰余金の返納についてどのようにお考えになっているか、お聞かせください。

○大臣政務官(舟山康江君) お答えいたします。
 この全国農地保有合理化協会といいますのは、農地保有合理化事業ですね、これは県段階若しくは市町村段階の公社を通じまして農地の買入れ若しくは借入れの資金を無利子で貸し付けると、そういった事業であって、農地の移動を円滑にすると、そういった事業であります。
 その中で、この全国農地保有合理化協会でありますけれども、これは県段階の各農業公社に農地の借入れ若しくは買入れの資金を無利子で貸し付けるための基金を保有しているという状況であります。その基金の状況ですけれども、平成二十一年度末の現在で五基金ありまして、基金総額は八百三十二億円という、そんな状況であります。
 まず、これでよろしいでしょうか。

○松浦大悟君 食料安定供給特別会計のうち、この農業経営基盤強化勘定については特別会計でやる意義が薄れてきているのではないかというふうに感じております。都道府県に移管をして、それを国がいろんな面で支えていくような仕組みも検討すべきではないかと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。

○大臣政務官(舟山康江君) ちょっと繰り返しになる場合もありますけれども、そもそもこの農地保有合理化事業というのは、県段階の農業公社が主体となりまして、規模縮小農家や離農農家から農地を買い入れて又は借り入れて、それを意欲のある農業者に売り渡し又は貸し付ける事業を行うものであります。
 そういう中で、この社団法人全国農地保有合理化協会というのは、その基盤強化勘定からの交付金を原資とする基金によって必要な資金を公社に無利子で貸し付ける業務だということであります。事業仕分におきましても、基金について、既貸付金以外は国庫納付をすべきではないかと、そんな評決を受けたことから、二十二年度は四十一億円を国庫返納の予定であります。
 これは、農地法も改正されましたし、二十三年度以降の基金の在り方につきましては、やはり農地利用の集積、有効利用、そういった上で重要な役割を果たしている保有合理化事業ですね、事業そのものはやはり非常に重要だと思っておりまして、今後の予算要求の過程でどうすべきなのか、そこはきちんと考えていかなければいけないと思っております。
 ただ、委員御指摘のとおり、直接国から都道府県公社へ交付するべきではないかと、そんな御指摘もあるかと思いますけれども、この農地の買入れ、売渡しというのはかなり頻繁に行われておりまして、機動的に対応しなければいけないと思っています。そういう意味では、一般会計で都度都度対応するというよりは、やはり特会から一定の協会への基金方式による貸付けが一番今最適ではないかと、そんな考えの下にやっておるわけですけれども、協会を通すべきなのか、基金以外のやり方があるのか、そこも含めて今全般的に省内のこういった事業を見直しておりますので、その議論の中でこれも検討していきたいと思っています。

13:00, Monday, Apr 26, 2010 ¦ 固定リンク

 


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