国政報告

 
 


【消費者問題に関する特別委員会】平成23年11月14日
○松浦大悟君 おはようございます。民主党・新緑風会の松浦大悟です。消費者問題特別委員会で初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 今日は、現在、具体化に向けて作業が進められています集団的被害者救済制度について質問させていただきたいと思います。
 二〇〇六年に改正消費者契約法が成立し、二〇〇七年六月から消費者団体訴訟制度がスタートいたしました。これは、これまで被害額が少ないからと泣き寝入りしなければならなかった悪徳商法などに対し消費者団体が差止めを行うことができるという画期的な制度でした。ただ、画期的な制度ではありましたけれども、既に被害を受けている被害者の救済にはつながりにくいという面で不十分な面もありました。当時も多くの消費者団体から損害賠償請求権も法案に入れてほしいという声が上がっておりました。
 山岡大臣、今回の所信の中で、多数の消費者に生じた被害の救済に関して実効性ある制度ということで、来年の通常国会提出を目指し法案作りを具体化させると述べていらっしゃいます。二〇〇六年に民主党も議員立法を提出した際には、現在実現している差止め請求権とともに損害賠償請求権も車の両輪として実現すべきだということで法案に盛り込んでおりました。ただ、当時は野党でもあり、実現はしなかったわけですけれども、与党になりまして、また、消費者庁もつくられ、消費者問題に対する理解も深まったということもあって、今回この集団的被害者救済制度が具体化に向けて動き出したのではないかというふうに思っております。
 消費者のための新たな訴訟制度の検討についての今後の取組について、まずはお聞かせください。

○国務大臣(山岡賢次君) お答えいたします。
 多数の消費者の被害の救済と実効性ある制度をつくることは極めて重要な課題であると、こういうふうに認識をしております。そして、消費者のための新たな訴訟制度については、本年八月に、消費者委員会の専門調査会でこの報告書が取りまとめられたところでございます。
 消費者庁といたしましては、平成二十四年国会への法案提出を目指しての法制化作業を今全力で進めているところでございます。

○松浦大悟君 以前、損害賠償請求を入れることに反対していた経済界を始めとした多くの意見は、乱訴によって経済活動を抑制してしまうのではないかというものだったと思います。この乱訴は防がなければいけない、しかし一方で、団体側が不必要に提訴をちゅうちょすることがないようにしていかなければいけない、これを両立していかなければならないというふうに思いますけれども、その両立をどのように図っていこうとしているのか、聞かせてください。

○大臣政務官(郡和子君) お答えいたします。
 今、松浦委員御指摘のように、今回新たに訴訟制度を具体化するに当たっては、乱訴を防ぐことというのはとても重要なことだと思っておりますけれども、また、制度が活用され消費者の被害が適切に救済されることも重要である、おっしゃられるとおり、両方、両輪として大切にしていかなくちゃいけないことだというふうに思っています。
 そこで、検討している本制度では、訴えを起こす者を内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体に限定して、その者に乱訴をしてはならない義務を課した上で、その者を内閣総理大臣が適切に監督するということで乱訴を防止するということ、また、その認定に当たりましては、消費者の利益の擁護を図るために適切に訴えを起こすことができる者とすることで、逆に不必要に提訴をすることをとどまったりするような事態が起こらないように、そういうふうにできるようなことを検討させていただいているところでございます。
 とにかく、両立をしていくように配慮してまいりたいというふうに考えております。

○松浦大悟君 是非その両立を図っていただきますようお願いを申し上げます。
 さて、消費者庁は、これまで各省庁の所管事項につきましては措置要求を行うことができ、生命、身体に関するどの省庁の所管とも言えないすき間部分については事業者への勧告、命令等を行うことができるということになっておりました。しかし、財産事案に関するすき間部分については権限がなくて、消費者被害の発生拡大防止を行うことができませんでした。
 今回、そのすき間を埋めるべく悪質な財産事案に対する行政措置の導入を検討していると聞いていますけれども、今後の取組について伺わせてください。

○副大臣(後藤斎君) 先生御指摘のとおり、今、生命、身体にかかわるいわゆるすき間につきましては、消費者安全法の改正によって現在消費者庁が関与できることになっております。
 平成二十一年の九月から施行されております消費者庁及び消費者委員会設置法並びに消費者安全法のスタートに伴って、今先生御指摘のいわゆるすき間の財産事案についてどうするかということにつきましては、過去省内でも検討し、現在は有識者の皆さん方も御参加をいただいて、今後、先ほど大臣がお話をされたように、来年の通常国会へ向けて検討しているところであります。
 先生御指摘のとおり、生命、身体というまず一番ある意味では重大なものに対する制度の仕組みというものはできているわけでありますから、今後はこの財産事案のすき間問題についてできるだけ早期に政府内で取りまとめを行って、来年の通常国会へ向けて法案が国会の方に御提出をし国会の中で御審議がいただけるように、鋭意まずすき間の財産事案からスタートをしていきたいというふうに考えております。

○松浦大悟君 ありがとうございます。
 次に、財産の隠匿・散逸防止策及び行政による経済的不利益賦課制度に関する検討チームの取りまとめによりますと、悪質な事業者の場合、財産を隠匿、散逸させている場合が多く、被害が発生するとその回復は困難だということなんです。違法な行為を早期に停止させることが重要であるということで、その手段として経済的不利益賦課制度や消費者庁による破産手続開始申立てが検討をされているということであります。
 ただ、資料を見ますと、それらは引き続き検討ということで書かれておりまして、この導入については先送りを決めたのかどうか、この点について確認をさせていただきたいと思います。

○副大臣(後藤斎君) 今、先ほどもお答えをしましたように平成二十一年の九月の一日から二つの法律がスタートをして、消費者安全法の中では、先ほどお話をしたいわゆる財産のすき間事案ということで、国会の方で、附則の二項で、消費者の財産に対する重大な被害を含めて重大な事故等の範囲について検討を加え、必要な措置を講ずるというのは、施行後三年以内という明定がございます。一方、財産の隠匿又は散逸の防止に関する制度を含め多数の消費者に被害を生じさせた者の不当な収益を剥奪し、被害者を救済するための制度についての検討を加え、必要な措置を講ずるというものは、いろんな課題が先生が多分御指摘をされたことも含めてありますので、三年を目途という形で、検討を加える部分に若干の時間軸の差があるというふうに認識しています。
 それだけではなく、先生がお話をされた、当然、経済的不利益の賦課制度並びにそれにかかわるものについては、検討をしていないというわけではありませんが、法令に定められた優先順位や、またできるだけどの部分から対応した方がいいかという検討を加えながら、まず財産のすき間事案ということからスタートをし、先生の御指摘をされた賦課金の在り方、また破産の問題も含めて、今後、若干の時間軸の差はあるものの、検討を引き続きしながら取りまとめをし、国会の方にまたその部分を御審議いただけるように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○松浦大悟君 ありがとうございました。
 さて、この集団的被害者救済制度というのは二段階になっているわけですね。消費者被害の特徴を見てみますと、少額で同じ種類の被害が多発していると。そうした中で、消費者の皆さんというのは、額が少ないわけですから、これは裁判にかけると費用の面でも大変だし労力も掛かるということで、なかなか裁判を起こしづらいという状況があります。一方では、加害者の方は財産隠しをされる方がいらっしゃる。
 こうした中で、一段目として消費者に代わって適格消費者団体が訴えるということを行っていく、そして二段階目でその一段階目勝訴の後に被害を受けた消費者が参加をしていく、簡易な手続で金額を決定していくという、こういう構えになっているというふうに認識をしております。
 それで、消費者の被害をできる限り回復させ、この集団的被害者救済制度を実効的にするためには、いかに被害を受けた消費者の皆さんを二段階目に、この手続に加入させられるかに懸かっているというふうに思っています。そのためには広く広報する必要があると思うんですが、専門調査会報告書を見ますと、適格消費者団体が通知、公告を行うということになっております。ただ、この適格消費者団体は財政的に必ずしも豊かとは言えない、この適格消費者団体が全てを担うというのは少し無理があるのではないかというふうに思います。消費者の救済に悪影響を及ぼしかねないという声もございます。
 適格消費者団体が制度の担い手として持続的に活動できる何らかの支援を行っていかなければならないと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。

○大臣政務官(郡和子君) お答えいたします。
 この救済制度の実効性を高める上で大変重要な役割を担っている適格消費者団体についての支援についてお尋ねがあったわけですけれども、適格消費者団体が会員やまた寄附を獲得することにつながるように制度の周知、普及、そしてまた適格消費者団体の活動の紹介などを積極的に行っているところでございまして、平成二十四年度の予算要求におきましても、この適格消費者団体の活動等を周知するための予算、これを要求しているところでございます。
 また、今年六月、寄附金制度につきましては、税制の優遇措置が受けられる認定NPO法人についてその認定要件が緩和されるなどの法改正も行われておりまして、この制度の積極的な活用をそれぞれ適格消費者団体に促しているところでございます。
 さらにまた、新たな訴訟制度におきましては、訴えを起こすことのできる者として新たな認定要件を満たした適格消費者団体を想定しているところでございますけれども、被害救済のための業務遂行に係る経費、いろいろとございます。それを、その経費等を法的に獲得できるようなことができる措置を検討してまいりたいというふうに思っております。
 今後も、適格消費者団体の意見などをお聞かせいただきながら、必要な支援について検討してまいります。よろしくお願いいたします。

○松浦大悟君 ありがとうございます。
 加えて、人材の育成という面も非常に重要な検討項目だというふうにも思いますので、併せて御検討いただきますようお願いを申し上げます。
 それでは、その適格消費者団体は現在九団体あるわけでございますけれども、東北や四国、九州の団体がないんですよね。もちろん全国規模の団体もあるので、これで東北や四国、九州の消費者問題が扱われないというわけではないとは思うんですが、やはり身近に存在する方が消費者といたしましても相談をしやすいのではないか、また問題も見付けやすいのではないかというふうに思います。
 この消費者団体をいかに育成していくか、支援していくかという点についてはいかがでしょうか。

○大臣政務官(郡和子君) 御指摘のように、全国で九団体でございます。消費者庁といたしましても、消費者の利便、また問題発見の容易さの観点からも、消費者の身近にこの団体、適格消費者団体が存在することというのが重要だというふうに考えておりまして、更にこの数が増えていくようにしていかねばならないと考えているところでございます。
 御指摘のように、東北そして九州、四国にはまだ存在をしておりません。そこで、適格消費者団体制度の周知、広報を積極的に行ってまいりまして、全国の消費者団体の中に適格消費者団体の認定を目指す取組というのを広げていただくとともに、認定を受けることを目指して活動している団体の皆様方に対しては、認定要件あるいはまた申請方法などについて事前の相談などに丁寧に応じていって円滑な申請につなげていくなど、適格消費者団体が増えていくための手段を講じてまいりたいと考えているところです。

○松浦大悟君 ありがとうございます。
 私も秋田県ですので、東北の中に一つこうしたものがあれば心情的にも非常に安心をするのではないかというふうに思っておりますので、その点についてもよろしくお願いをいたします。
 今後の消費者庁の役割というのはますます大きなものになっていくというふうに思います。放射性物質における皆様の不安を取り除くということ、食品のモニタリング調査の結果なども広く国民の皆様にお示しをするということももちろんですし、今議題となっております国民生活センター、こちらの見直しという点についてもそうだと思います。
 今後の消費者庁の皆様の取組にしっかりと期待をさせていただき、そして私たちも支えていきたいと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いをいたしまして、私の質問にさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

12:00, Monday, Nov 14, 2011 ¦ 固定リンク

 


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