国政報告

 
 
2007年12月

【法務委員会】12月11日(火)〜いじめ自殺に関し、法務委員会と文部科学省の取り組みについて〜

○松浦大悟君 無所属の松浦大悟です。
 初質問の際、地元秋田県の自殺率の高さと自殺対策について質問をさせていただきました。今回は、いじめ自殺の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 警察庁の統計によりますと、昨年の自殺者数は九年連続で三万人以上で、その中でも学生生徒は八百八十六人を数え、一九七八年の統計開始以来最多となってしまいました。もちろん、そのすべてがいじめを原因としたものではありませんが、いじめによる自殺も含まれていると当然予想でき、早急にいじめ対策を行い、いじめによる自殺を防がなくてはなりません。
   〔委員長退席、理事山内俊夫君着席〕
 そこで、大臣に質問です。
 去年の十月に起きた福岡県筑前町でのいじめ自殺の問題で、御遺族に対し福岡法務局から調査記録が開示されましたが、これほとんど黒塗りにされて何も分からない状態でした。これに対し大臣は会見で理解を示されましたが、この真意はどういうところにあったのか、お聞かせください。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 今、西岡先生がお見えになりましたけれども、私は西岡先生の下で文教行政を学び、先生と同じように文部大臣をやったという経験がございます。
 そういう経験がございまして、また、この筑前町は私の選挙区の隣町でございますので、このときには、実は事件後に現地に行って教育委員会あるいは学校、いろんな方とお会いをしてきましたけれども、何かもう、皆さん非常に元気をなくしていて、聴き取りというかインタビューをしても、困り果ててろくに答えが返ってこないというような状況であったことを思い出すわけでございます。
   〔理事山内俊夫君退席、委員長着席〕
 今御質問にあった黒塗りという、マスキングというのか分かりませんが、黒塗りの部分というのは、これは、法務省の人権擁護機関が行う人権侵犯事件の調査というのは、まだこれは、妙な話ですが、基本法がありませんね、人権擁護については。したがって、関係者の協力を得て行う任意の調査であって強制力がない。強制力がないから、関係者から、それこそプライバシー等も含んだものでよろしくお願いをして、そしてやっとしゃべっていただくという、そういうような資料が非常に多いわけでございまして、強制力がなくてそういう状況で情報を得ているものですから、これを他の方々に見せるあるいは公表するというたぐいのものではないんです。
 そういう意味で、また、そういうことをすれば今後の御協力が得られなくなるという面もあるものですから、部分開示という形にさせていただきました。

○松浦大悟君 部分ではなくて、ほとんどが黒塗りということは大臣も十分御承知のとおりです。
 大臣は最近、法制審に対して、刑事事件の少年審判で被害者や遺族の傍聴を認めることと諮問されましたけれども、これは犯罪被害者や遺族の権利に対する世論の高まりを踏まえたものだというふうに思います。同じ観点から、この件に関してもう少し御遺族の立場に立った取扱いをしていただけないものでしょうか。だれから聴き取ったか分からないような形にして、少しでも御遺族のお気持ちにこたえる工夫をしていただけないかと思うのですが、どうでしょうか。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 制度として、今回の部分開示という決定について、先月三十日に審査請求がなされておられますね。
 審査請求というのは、言わば控訴というか不服申立てのようなものであろうと思いますが、この審査請求がなされた場合は、内閣府の諮問機関である情報公開・個人情報保護審査会に諮問するわけですから、同審査会からどういう答申が出てくるかというのを見守っていきたいと思います。
 ただ、前段委員がおっしゃったように、今、犯罪の被害者の事柄を、被害者を守るというか遺族を守るというか、遺族の方に満足して、まあ満足というのも変でしょうけど、理解をしていただくということがとても大事だということをすべての面でやらせていただいています。これは内閣全体で取り組んでいます。経済的な問題も含めて取り組んでいる。今回の死刑を執行させていただいた事柄に関する公表も、やっぱり一番は遺族の方々のお気持ちという部分があったわけです、私の心の中にも。ですから、あなたがおっしゃったことというのはやはり大事なことだとは受け止めます。

○松浦大悟君 これでは、だれを守るための調査だったのかということが分かりません。学校を挙げてのいじめ隠し、地域を挙げてのいじめ隠しが行われている中で、今の大臣の御答弁は、国を挙げてのいじめ隠しだと誤ったメッセージを子供たちに与えてしまうのではないかと危惧をいたします。
 このような態度でいじめに関する相談を行っているのではないかと危惧をするわけですが、法務省はどのようにいじめに関する相談を行っているのか。子どもの人権一一〇番に寄せられた相談に対してどのように対応しているのか、教えてください。

○国務大臣(鳩山邦夫君) これは、私に似合わずちょっと読ませていただきますが、法務省の人権擁護機関では、いじめ等の子供の人権問題に関する相談については、法務局の常設相談所があると。それから、インターネットによる人権相談受付システムにおいて応じております。そして、全国の小中学生を対象にして、子どもの人権SOSミニレターと、趣旨が書いてあって、これを切り取って封筒を作って、ここに書いて、これを封筒にして送るというようなことを配布して、手紙によって子供たちからの相談に応じていこうと。それから、子供の人権問題の専用相談電話、子どもの人権一一〇番も設置しています。そういうようなことで、なるべく子供たちにとって分かりやすい相談体制を取っているということでございます。
 ただ、実数とかそういう点については、もし必要あれば事務方から答弁させます。

○委員長(遠山清彦君) 答弁求めますか。

○松浦大悟君 いいえ。

○委員長(遠山清彦君) よろしいですか。

○松浦大悟君 その調査をしてもそれを明かすということをしない法務省にどこまで本音の相談が寄せられるかということは大変疑問があります。
 では、文部科学省はいじめの定義をこのたび変更をいたしました。その調査の結果、大幅にいじめの件数が増えたわけでありますが、どのように変更してどのように増えたのか、教えてください。

○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 昨年、いじめにより児童生徒が自らその命を絶つという痛ましい事件が発生したことをきっかけに、いじめ問題が大きな社会問題となり、いじめの実態把握の在り方につきまして様々な御指摘をいただいたところでございます。このような状況を踏まえて、専門家の方々にも御意見を伺いながら、いじめられた児童生徒の立場に立って、より適切にいじめの実態を把握することができるよう、そのいじめの調査に当たっての定義を見直したところでございます。
 具体的には、これまでの調査の定義では、自分よりも弱い者に対して一方的に、また、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているものという形で、一方的、継続的、深刻なという限定的な文言を外しまして、今回の調査からは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより心理的な苦痛を感じているものという形で定義の見直しを図ったところでございます。
 それとともに、学校におきましても、アンケート調査、個別面談という形で児童生徒に即して実態が把握できるよう努めたところで、その結果、いじめの件数が大きく増え、小学校の段階では十二倍という数字も出てきたところでございます。

○松浦大悟君 この調査結果というのは都道府県によって大きくばらつきがありますよね。それはなぜでしょうか。都道府県によっては名前を記入させてアンケートを取ったり、中には教師から聞くだけに終わっているところもあるようですが、改善の余地はないんでしょうか。
 また、二〇〇六年度の小中高等学校の児童生徒の自殺者数は、文部科学省の調査では百七十一人でした。一方、警察庁の統計では、二〇〇六年は三百十五人です。年度と年のずれはあるものの、大きな差があります。カウントされなかった案件の中にいじめ自殺が含まれていないか懸念をいたしますが、なぜこのような差が生まれているのか、教えてください。

○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 最初に、調査結果の都道府県ごとのばらつきについてでございますけれども、先ほども申し上げましたように、今回の調査に当たりましては、都道府県、市区町村、学校でアンケート調査、個別面談等の様々な取組が行われ、その方法が一様ではなかったという結果が都道府県の認知件数にも差が出ているのではないかというふうに考えております。実態におきましても、いじめの状況に違いがある面もあろうかと思いますけれども、その手法の違いが認知件数の差に出てきているのではないかというふうに考えております。
 この件につきましては、いじめの問題については、児童生徒に即して適切に、できるだけ速やかにいじめを発見し、早期に対応するということが重要でございますので、今後、文部科学省におきましては、今回の調査結果に関しまして、学識経験者の方々の協力をいただき、検証、分析を始めているところでございます。その結果につきましては次回の調査の実施に反映させ、実態の把握がより適切に行われるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
 もう一件、いじめの自殺の件数につきまして、警察庁との調査の違いについてでございますけれども、文部科学省の調査は、学校が自殺について把握をし、それらを教育委員会が取りまとめて報告をするという形になってございます。一方で、警察庁の調査は、警察の捜査権限に基づきまして検視、事情聴取の結果を集計したものということで、調査方法が異なりますので、実態として違いが生じているところでございます。
 昨年の秋のこのいじめの問題に関する臨時国会などで警察庁の統計数値との開きがあるという御指摘をいただきました。自殺の状況調査の精度を高めるため、今回は警察庁から各都道府県ごとに集計した数字の提供をもらいまして、各都道府県教育委員会で把握、集計した数字と照らし合わせるという作業は行ったところでございますけれども、まだその数字の開きがあるというのが現実でございます。
 その理由として幾つか挙げるとすれば、学校として自殺であることを裏付けを確認できなかった、あるいは自殺であるという判断ができない場合、それから遺族の心情に配慮して自殺として計上していない場合があるというふうに把握しているところでございます。

○松浦大悟君 学校が自殺を隠したがっているという背景が見える御答弁だったと思います。
 このいじめの調査というのは、昭和六十年に始まって、平成六年、そして今回と、いじめの定義が変わるたびに大きく数字が変動しているというものです。しかも、昨日文科省の方から聞いた話によると、調査をしているのは学級の担任だそうです。学級の担任はステークホルダーです。こうした利害当事者が調査を行うというような統計は在り得ません。
 このようなまゆつばのデータに基づいて何をどのようにしようとしているのか、このような相談や調査などにより文部科学省としていじめの現状をどのようなものと把握しているのか、お聞かせください。

○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 いじめの問題につきまして、先ほど申し上げましたけれども、どうしても遺族の御心情を踏まえて学校として対応せざるを得ないという面も実態としてあるようでございますけれども、いじめの問題につきましては、いじめられた児童生徒の立場に立って、より実態に即して把握できるよう、いじめの定義を先ほど申し上げたように見直しをさせていただきました。
 また、各学校におきましても、アンケート調査、個別面談を実施するということで、いじめの問題に徹底して取り組み、いじめの実態をより適切に把握するという努力を重ねているところでございまして、また児童生徒の実態を一番よく把握しておりますのは担任の教員でございますので、教員がまず実態を把握して、それを学校として取りまとめるという作業をしているところでございます。
 このいじめの問題については、どの学校でも、どの子供にも起こり得るという認識の下に、件数の多い少ないの問題以上に、いかに迅速に対応し適切に対応できたかということが重要でございますので、今回の調査もきっかけとしていじめの実態をより正確に把握するということ、そしてまた、その一つ一つを解決につなげるということが重要であると認識をいたしているところでございます。
 その際にも、児童生徒一人一人に学校の教員、養護教員あるいはカウンセラーがきめ細やかに対応するとともに、家庭、地域と連携して学校を超えた対応を図ることも重要であろうと認識をいたしているところでございます。
 今後とも、各学校においてこのような取組が一層進むように、行政として支援を重ねてまいりたいと思っております。

○松浦大悟君 福岡の事例においては教員がいじめに加担していたわけですから、今の答弁は白々しく聞こえます。
 大臣、いじめをなくす方法、いじめ研究には二つあるというふうに言われています。
 まず一つ目は、いじめる子に、仲良くしようだとか優しくしようだとかというふうに呼び掛ける精神論です。周りの子供たちに傍観してはいけないと呼び掛けるものもこの中の一つだと思います。今やっている方法ですよね。しかし、これは余り効果を上げていません。
 もう一つの方法というのは、環境を変えようというものです。具体的には、クラス制度をなくしたり、あるいは老人ホームや保育所を併設したりするというやり方。地域の方々がより多く学校にかかわることによって、そういう仕組みをつくることによって学校内の流動性を高めていく、そうすることによって常に同じ人間関係の中で閉じこもらなくてもいい、そういう環境をつくるというやり方です。
 社会学には、環境が変わればそこに集う人間関係が変わるという昔からの古典的な考え方があります。大臣は「ビフォーアフター」というテレビ番組を御存じでしょうか。古くなって使い勝手が悪くなった家を建築家の方が毎回リフォームをしていくという、そういう番組です。この番組が驚くべき点は、確かに家も立派にリフォームされるんですが、使い勝手が悪い家に住むことでどこかぎくしゃくしていた家族関係も家をリフォームすることによってリフォームされるという、そういうことが起こっているわけですね。
 私は、学校においてもこうした視点からいじめ問題をとらえ直していくことができるのではないかというふうに思っています。学級という狭い空間から児童を解放させることがいじめを減らすことにつながるといういじめ研究というのは昔からあるわけですが、そのような検討は文科省においては行われているのかどうか、聞かせてください。──じゃ、大臣にお願いいたします。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、あなたがおっしゃった意味では後者の方が絶対に効果があると思うんです。それは、法務省でも人権教室とかそういうことを企画しておりますけれども、環境が変わると人間は変わる、だから私は自然との共生ということを訴えているのはそういう面もあるんです。
 私は学校五日制を導入した文部大臣でございます。業者テストを禁止した文部大臣でございます。OECDの調査等がありまして、学力を落とした張本人は鳩山邦夫だと厳しく批判されることもあります。しかし、OECDの点数が少しでも上がる、上がることはいいかもしれないけれども、それよりは、たくましいというのか、あるいは和の心を持った子供たちにする、そういう環境の変化をつくり出すということが重要だと思った場合に、私は委員のおっしゃる後者の方に重点を置くことがいじめによる自殺を減らす道だと思います。

○松浦大悟君 大臣がおっしゃるとおり、学校のシステムを変えればいじめは減るんです。学校五日制にしたことによって不登校が大きく減りました。これも一つの事実です。
 学級をなくすまでは行かなくても、学級という狭い空間を流動化させるために、地域の方々にボランティアでいろいろと入っていただく、活動を手伝ってもらったりすることは可能だというふうに思います。さらには、これは民主党の鈴木寛先生なども提言をされているコミュニティ・スクール、これを導入していくこともいじめを減らすことに役立つというふうに私は考えます。
 では、そのいじめ自殺に関して、暴力系のいじめについて質問をしたいと思うんですが、集団による暴行や金品の恐喝など明らかに悪質ないじめに対しては、私は警察に通報することを促すべきであると思っています。
 文科省でも今年の二月に「問題行動を起こす児童生徒に対する指導について」という通知を出されましたが、これはどのような視点に立ってつくられたものなのでしょうか、そして今後どのように運用されるのでしょうか、文科省、お答え願います。

○委員長(遠山清彦君) 松浦君の質疑時間は終局しております。簡潔に御答弁をお願いいたします。

○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 いじめ、校内暴力を始めとした児童生徒の問題行動への対応につきましては、未然防止と早期発見、早期対応に努めることが重要であるという認識を持っております。学校は問題を隠すことなく、教職員一体となりまして問題行動を起こす児童生徒に対して粘り強い指導を続けるとともに、毅然とした対応を行うことが必要と、そういう認識に立っているところでございます。
 先生御指摘の本年二月の通知におきましても、その趣旨を踏まえて、犯罪行為の可能性がある場合には、学校だけで抱え込むことはなく、直ちに警察に通報をし、その協力を得て対応することも指摘しているところでございます。
 委員会、学校がこうした通知の趣旨を踏まえまして、問題行動を起こす児童生徒に対して毅然とした対応を取っていただくよう、引き続き指導をしてまいりたいと考えております。

15:36, Wednesday, Dec 19, 2007 ¦ 固定リンク


【法務委員会】11月29日(木)〜裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について〜
○松浦大悟君 無所属の松浦大悟でございます。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について質問いたします。
 今回の法改正で報酬が増額になる対象者は全裁判官何人中何名になるのでしょうか。検察官についても併せて聞かせてください。

○政府参考人(菊池洋一君) 今回の法改正は初任給を中心とした若年層を対象とした増額でございますが、今日現在の数字で申し上げますと、裁判官につきましては、定員が三千四百十六名でございますが、そのうち増額の対象者は五十二名、検察官につきましては、二千五百六十三名中七十一人となっております。

○松浦大悟君 今お答えいただいたデータをベースに質問を続けてまいりたいと思います。
 先週、法務委員会の視察で東京拘置所に行ってまいりました。去年のクリスマスイブに、七十五歳の車いすの死刑囚が職員に連れられ首にロープを掛けられ刑を執行された現場に立たせていただきました。死刑という取り返しが付かない刑の残虐さと裁判官の責任の重さを痛感いたしました。
 そのような刑を決める裁判官だからこそ、憲法の中に裁判官の独立が規定されているのだと思います。政府も含め、ほかからの圧力に左右されず、憲法と法律と自らの良心のみに従う裁判官の独立がうたわれている。給与の面においても、この報酬は、在任中、これを減額することはできないと定められているのではないかというふうに考えます。
 では、今回の法改正においてその裁判官の独立は守られているのか。例えば、前回報酬が減額されたときの議論などを見ますと、人事院勧告に基づいてだとか全裁判官の報酬について一律に引き下げるから憲法には触れないと答弁をされています。しかし、今回の増額の場合は、人事院勧告どおりには行わず、全裁判官一律ではありません。減額するときには人事院勧告を理由に挙げておきながら、増額のときには人事院勧告を一部にしか適用しないというのでは筋が通っていません。
 法改正による報酬の増減と憲法が保障する裁判官の独立との関係を法務省としてどのように考えているのか、確認をさせてください。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 非常に鋭い御質問だと思うんですよ。
 つまり、なぜ裁判官の報酬は普通の公務員と別であるのかと、先ほどから質問と答弁が繰り返されている。検察官、もちろん充職検事として法務省の中にも大勢おられますけれども、検察官もなぜ別なのかと。それはやっぱり司法試験、司法修習ということもありますし、やっぱり準司法的な仕事するから違うんだと、だから別に定めているんだと。
 したがって、そういった意味では、裁判官や検察官の給与、報酬に関しては、それはもう全く別の観点から物事を考えていけばいいんですけれども、それが残念ながら、やっぱり財政の問題とか世論というのもあるので、結局一般の政府職員の俸給表の俸給月額と同じ改定率で改定するという、非常に残念な結果になっているというふうに私は思っております。
 ですから、委員が御指摘されている基本的な考え方は十分分かっていますし、裁判官は、とりわけその職務の責任の重大性というのは独立性と絡んで十分給与体系に反映しなくちゃいけないんでございますが、やっぱり財政の事情というのもあって、このような形に今回なってしまっているというふうに、私自身も残念には思っております。

○松浦大悟君 憲法との関係については改正のときにいつも話題になることではありますが、それは非常に微妙な問題であるという御答弁だったというふうに思います。
 では、今回の法改正について、最高裁において裁判官会議が開かれたと思いますが、どのような検討がなされたのか、そしてまた、どのような意見が出されたか、最高裁にお聞きしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) お答えいたします。
 最高裁の裁判官会議におきましては、裁判所として人事院勧告についての政府における取扱いに沿った形で裁判官の報酬等についても所要の措置を講ずる、こういう方針に立って対処することにつきまして、これは異論なく了承されたということでございます。

○松浦大悟君 憲法との関係について今回も確認をさせていただきました。
 続きまして、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に関連して、冤罪事件と検察の在り方についてお聞きをいたします。
 鹿児島の選挙違反の冤罪である志布志事件や富山の婦女暴行冤罪事件など、近年冤罪事件が大きく報道されています。これまでの冤罪件数について法務省としては統計はあるのか、どのように過去の冤罪事件を把握されているのか、お聞かせください。そしてまた、無罪が確定された場合、検察側ではどのような検証や反省がなされるのか、お聞かせください。

○国務大臣(鳩山邦夫君) ちょっと冤罪という言葉の使い方、松岡先生とのやり取りがありましたので、私の考え方も少し取り入れていただければ有り難いと。
 つまり、日本の検察、警察を含めてですが、在り方というのは、非常に慎重に構えて、これならば十分犯罪を立証できると、つまり有罪に持ち込めると相当な確信がないと起訴しないというやり方。外国の中には、まあ、犯罪になるかどうか分からないけど、取りあえず逮捕しておいてやってみようと。そうすると、有罪率が六割とか七割という国がある。日本は九九・九%以上が有罪であるという。
 そういう在り方の問題なので、無罪と冤罪というのはやっぱり違うので、無罪を全部冤罪と言われたら困るので、検察が起訴して無罪になったのはおかしいじゃないかというんだったら、ある意味じゃ裁判は要らないような話になってもくるわけで、やっぱりそこに裁判という非常に厳正中立な判断が加わるというわけでございまして、犯罪白書によりますと無罪判決数というのがありますが、平成十六年百十四件、平成十七年八十五件、平成十八年百十三件となっております。
 先ほど松岡先生にお答えしたようなもののみは私自身も冤罪と呼びます。

○松浦大悟君 正に今大臣がおっしゃったように、今その警察の在り方が問われているんだと思うんです。成熟社会に突入した中で、今までの在り方でいいのかどうか、これが問われているというふうに認識をしています。
 大臣、冤罪が判明した後には必ずと言っていいほどその警察の捜査や取調べの在り方が問題となります。実際、批判を受けても仕方がないような捜査や取調べがなされております。こうした言わば警察の暴走に対し歯止めを掛ける役割も第二次捜査権を持つ検察は担っているのではないかと思いますが、大臣は検察と警察との関係をどのようにお考えでしょうか。
 また、冤罪を防ぐためには何をすべきか。これだけ冤罪が多いのは、検察の人材の質の問題なのか、それとも代用監獄や検察と裁判官の交流人事などのシステムの問題なのか、どちらでしょうか。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 一般論として申し上げれば、無罪判決があった場合、当該事件における捜査、公判活動について反省すべきところがあれば、検察庁内で勉強会を開いたり、各種の会同において事例として発表するなどして問題意識を共有して、今後の捜査、公判の教訓としているわけでございます。
 私自身も、十月に行われた全国次席検事会同において、本年に入って捜査、公判の在り方が深刻に問われる事例が発生しており、こうした事態を真摯に受け止めようと、検察に対する国民の期待と信頼にこたえることができるよう努められたい旨訓辞をしているわけでございまして、そういった意味では、無罪の率は非常に低い日本ですが、無罪になった場合、これまあ全部冤罪とは呼んでいただきたくないわけですが、一部冤罪も含むんですが、無罪になった場合には、それなりの問題点の整理は常にやっておるということであります。
 警察と検察の関係でございますが、結局は捜査という点では極めて密接な関係にあって、協力して行うわけですね。
 昨日の守屋さんのような場合はもう検察が、地検特捜部が動いて、そして逮捕しますけれども、一般的には警察が先に出てくるわけでございますから、まず警察が犯罪があるんじゃないかと考えて犯人捜しあるいは証拠の捜査をやると。検察は、警察から送致を受けた事件について、連絡を取りながら、場合によっては検察自らが捜査を行うと。そういう独立した捜査機関で別々なのではありますが、両者の関係はとにかく常に協力すべき深い関係であると、こういうふうに考えております。
 ただ、事件を起訴する起訴しないは検察が判断することでございますから、それは警察ができることではない。起訴、不起訴を決めるのは検察ですが、そのときにやっぱり証拠が不十分であるようなときには、起訴できるかできないかと思料していく中で更に警察に協力を求めるということはございます。

○松浦大悟君 例えば、二十五年間以上もの歳月を費やし、その間一度も有罪判決が出されなかった有名な冤罪事件である甲山事件ですけれども、この甲山事件では、警察が逮捕後、検察が一回は警察の捜査では証拠不十分として不起訴処分としております。この事件は、結局、遺族による不服処分後に捜査した新たな検察によって起訴されまして、史上最長の冤罪事件というふうになったわけでございますが、これなどは冤罪を検察が止められるということも示しているのではないかというふうに思います。と同時に、検察の限界も示している。
 取調べの全面可視化や検察の証拠開示など客観的な冤罪防止プロセスを導入すべきだとも思いますが、この点については、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど可視化の問題については御答弁申し上げましたように、使える部分もありますが、最初から、警察が逮捕したところからすべての供述、自白を録音、録画するということになると、逆に真実を得ることが難しくなる、あるいは被疑者がしゃべらなくなる。プライバシーについて触れると問題があると言われてしまうと、結局は自白がうまい具合に得られないというようなことがありますので、全面、一〇〇%の可視化ということになりますと、私は賛成と言い難いわけでございますが、ただ、警察がどのような捜査、あるいは聴取する場合もあるでしょうから、したかということは、より良い協力関係の中でお互いがチェックしていくべきことだろうと思います。

○松浦大悟君 先ほど大臣、テレビカメラの前では真実が語れなくなるおそれがあるというふうにおっしゃいましたけれども、しかし、今現在において、テレビカメラのない状態において真実は語られていないわけですよね。ですから、冤罪事件が起こっているわけでございます。だから、テレビカメラの前では真実が語れないというのは理由にはならないというふうに私は考えます。
 問題は、冤罪を防ぐためにどのようなアーキテクチャーを構築していくかだというふうに思います。そのためには、今現在の段階においてテレビカメラの導入、取調べ段階での可視化というのは最善の方法であろうというふうに思います。そのことを申し上げて、質問に代えさせていただきます。
 ありがとうございました。

15:32, Wednesday, Dec 19, 2007 ¦ 固定リンク


【法務委員会】11月8日(木)〜有害サイト規制について〜
○松浦大悟君 無所属の松浦大悟でございます。今日が私にとって二回目の質問ということになります。どうぞよろしくお願いをいたします。
 今日は有害サイト規制について質問をしたいと思います。
 政府におきましては、IT安心会議が有害サイト集中対策を策定し、青少年育成推進本部では来年中をめどに青少年育成施策大綱を改定する方針というふうに聞いております。
 私は、有害サイト規制については条件付き賛成の立場です。ウエブだからといってすべてを放任していいというわけではない、一般の犯罪と同程度の規制は必要だろうというふうに考えています。しかし、今の世論は明らかに過剰反応だとも思います。IT安心会議もこうした世論に左右された議論になっているのではないかというふうに危惧をしています。有害サイトとは何をもって有害とするのか。有害であるものと有害ではないものとの間に線引きをしようというわけですから、そこには必ず恣意性が働く。何が有害なのか、後ほど大臣の御見解も含めて伺っていきたいというふうに思います。
 まず、IT安心会議が規制を強化しようとしている出会い系サイト規制法について伺いたいと思います。
 規制の強化ということでございますが、具体的にはどのようなデータに基づいて規制を強化しなければならないというふうに御判断をされたのかということが一つ。もう一つは、規制の強化は範囲の拡大を意味するのかということ。今現在におきましても、ミクシィやエキサイトフレンズなどのようなSNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービスや一般BBS、あるいはプロフといったものの中では一見さんには分からないような形で売買春の交渉が行われている。SOSだとか、三でお願いしますだとか、助けてくださいだとか、私のサポーターになってくれる人といったような書き込みが行われているわけですよね。つまり、児童買春は今や出会い系サイトだけではなくて様々なサイトに分散をしてしまっている。こうした中で出会い系サイトだけを規制しても意味がないんですね。規制を強化するということは、こうしたSNS、ミクシィなどにも規制の範囲を広げようということであるのかどうか、質問したいと思います。

○政府参考人(片桐裕君) お答え申し上げます。
 御案内のとおり、出会い系サイト規制法の附則第二条というのがございまして、この法律の第七条、これは事業者は児童の利用禁止の明示をしなければいけないという規定でございますけれども、これと第八条、業者は利用者が児童でないことを確認しなければいけないという規定でございますけれども、こういう規定につきまして施行後三年を経過した段階で必要に応じて見直しをすべきという規定が置かれているところでございます。その三年が昨年十二月で経過をしたという段階でございまして、したがって、その後我々検討を進めてきたということでございます。
 また、出会い系サイトを利用しての犯罪の被害に遭う児童でございますが、この法律がそもそも施行された後、一時大分減少したんでございますけれども、その後、また昨年からこれは増加をするという傾向にございます。
 こうしましたことから、警察庁では、先般、出会い系サイト等に係る児童の被害防止研究会、これを設置いたしまして、今申し上げました第七条、第八条だけでなく、この法律全体について問題点の洗い出しと、また今後のあるべき対策について御検討いただくということにしているところでございます。
 その論点でございますけれども、警察庁からは主に二点提示しておりまして、一点は、不適切なサイト運営を防ぐための事業者としての責任をどう考えるのかと、もう一点は、児童による利用をどうやって防ぐのかという二点を御提示申し上げておりますが、この中には、出会い系サイトの、今御指摘があった定義の拡大ということは含まれてはおりません。おりませんが、ただ、第一回目の先般の会議の中で、一部の委員からこの点も論点にすべきだという御意見もございましたが、まだこれは論点にするかどうかは決まっていないということでございます。
 私どもとしましては、この点を含めまして今後研究会でどういった議論がなされるか、その行方を私どもから申し上げることは適当ではないと思っておりますけれども、警察庁としましては、今後この研究会での議論を踏まえまして、児童の犯罪被害防止のための実効的かつ相当な対策について検討していきたいというふうに考えております。

○松浦大悟君 今出会い系サイトによる犯罪の検挙件数が非常に増えているという話がありましたけれども、しかし、この検挙件数と暗数というのは比例しているわけではございませんで、なぜかというと、警察が力を入れれば検挙件数というのは上がるんですね。年末の交通取締りを見れば分かるとおり、警察が力を入れれば検挙件数というのは上がるわけです。例えば、京都府警がウィニーの不祥事が起こった後にサイバー犯罪に対する検挙というのを物すごく力を入れてやった。そのことによってサイバー犯罪の検挙件数がぐんと上がったということがあります。つまり、出会い系サイトの被害児童が増えたという統計データは、ネットユーザーが増えたことによって、あるいは警察がサイバー犯罪に力を入れるようになったことによって上がっているように見えるというふうにも解釈できるわけでございます。
 さて、IT安心会議のホームページを見ますと、自殺サイトや学校裏サイトについても非常に関心が高いように見えるわけでございます。しかし、こうした学校裏サイトや自殺サイトは今回は規制の対象とはなっていない。これはなぜ規制の対象にはならなかったのか、そして今後規制対象とする意図はおありなのかどうか、お聞かせください。

○政府参考人(南俊行君) 内閣官房でございます。私どもで関係省庁さんから成りますIT安心会議の事務局を仰せ付かってございますけれども、今年の十月十五日に、今先生御紹介いただきました様々な関係省庁さんの施策を取りまとめて集中対策として取りまとめをさせていただいたところでございます。
 その中に今御紹介いただきましたいわゆるやみサイトでありますとか学校裏サイトの問題も取り上げてございますが、まずは、その実態が関係省庁も含めましてよく分かっていないという面もございますので、まずはちゃんと実態を把握した上で必要に応じて対応策を検討していこうというところにとどまっているものでございます。
 インターネット上の情報の流通に関しましては、表現の自由でございますとか、やはり通信の秘密といった面についても考慮をする必要があるというふうに考えておりまして、特に発信者側の権利を過度に萎縮させることがないような配慮というのはやはり必要であろうというふうに思っております。
 現在、プロバイダーの業界団体さん等の自主的な民間団体の取組がございますので、そういったものを政府としては側面から実効性が上がるようにサポートしていくという対策をやはり中心に進めることが、このインターネットという事柄の性格上ふさわしいのではないかということで今回の取りまとめに至ったということでございます。

○松浦大悟君 自殺サイトですとか学校裏サイトといいますと、マスコミでは負の側面だけが強調されるわけでございますが、しかし別の側面もあるだろうというふうに考えます。
 例えば、自殺サイトでいうと、自殺サイトへアクセスすることによって自殺をする人の数と、そこへアクセスする人の数を比べてみてもらいたいんですね。そうすると、そこのサイトにアクセスしたことによって自殺をした方の数よりも、圧倒的多数の方たちがアクセスをしただけということが分かるんですね。つまり、自殺念慮を抱えている方たちが自殺サイトにアクセスすることによってガスが抜けているという現状があるだろうというふうに思います。自殺念慮を持っている方たちが孤独に陥らないような、そういうコミュニケーションの場でもあるわけです。
 また、学校裏サイトについて言えば、学校裏サイトではいじめの温床になったサイトだけがピックアップされるわけでございますが、それだけの機能ではなくて、普通の学校での日常生活の会話なども行われているわけでございます。一見いじめのように見えるようなそういう書き込みであっても、いじめっ子が書いているのか、あるいはいじめられっ子がその書き込みを行っているのかで文脈は変わってくるわけですよね。いじめられっ子が学校での憂さを晴らすために書き込みをしている、ガスを抜いているというケースもあるわけでございまして、一くくりにできるものではないというふうに思います。小中学生がサイトを作れば、必ずそこは学校裏サイト的なニュアンスを帯びてくるわけなので、これを規制するというのはどうなんでしょうか。子供たちの表現の場を大人が奪うようなことがあるべきではないというふうに私は考えます。
 今後も規制すべきではないというふうに考えますが、御見解をお聞かせください。

○政府参考人(武内信博君) 総務省といたしましても、インターネット上の違法・有害情報の対策は非常に重要な課題であるというふうに考えておりますが、他方、今先生の御指摘もありましたように、この課題の取組につきましては、表現の自由というふうな観点から慎重な検討も必要だというふうに認識をしております。このような観点から、プロバイダーやあるいは電子掲示板の管理者等によります違法・有害情報の自主的な削除の取組の支援ですとか、あるいはフィルタリングというものの普及などに努めているところでございます。
 総務省といたしましても、引き続き、こういう表現の自由等についての議論にも十分配慮した上で、ガイドライン等の運用ですとかあるいは周知の支援、あるいはフィルタリングサービスの一層の普及というものにつきまして、業界ですとかあるいは関係機関との連携を引き続きやってまいりまして、今後とも違法・有害情報の問題に総合的に対応してまいりたいというふうに考えております。

○松浦大悟君 次に、児童買春、児童ポルノ禁止法について伺います。
 これは議員立法で成立したものでありますが、法務省として改正する意図というのはあるんでしょうか。もしあるのであればどういう内容なのかを教えていただきたいと思います。
 私は、写真やビデオと違って、被害者のいない漫画やアニメ、それからゲームに対する規制の強化が行われるのではないかというふうに危惧をしています。法律を改正するならば、改正するに見合った立法根拠が必要だと思っておりますが、このような有害と言われるメディアが犯罪を増やしたという調査結果はあるのかないのか、お聞かせください。

○政府参考人(大野恒太郎君) ただいま有害メディアが具体的な犯罪を増やしたという統計があるかどうかということでございますけれども、済みません、私が今知る限りにおいてはそのようなものは承知しておりません。
 それから、児童買春、児童ポルノ禁止法の見直しの関係でございます。
 先ほど委員御指摘のとおり、十六年の改正で三年後の検討ということが求められております。したがいまして、当局といたしましても、社会意識の状況等を見まして、また、今後におきます国会における議論等にも注目させていただきまして、その上で検討を進めてまいりたいというふうに考えておりますけれども、ただ、その中で議論が出てまいりますのは、例えば、実在しない児童のわいせつ画像を取り扱ったアニメやゲームについても、これは青少年の育成上問題があり、あるいは児童を性の対象とする風潮を助長するんじゃないかというような御議論がございます。
 この辺りは、この法律の立法の目的が児童の権利擁護ということでありまして、描写の対象になった児童の人権を守るということでありますので、実在しない児童のわいせつ画像、アニメ、ゲーム等につきましては、直ちにこれに当たってこないし、また、表現の自由ですね、表現の自由との関係がございますので、慎重な考慮を要するのではないかと、このように考えております。

○松浦大悟君 御答弁にありましたとおり、メディアの悪影響論についてはアメリカの社会学者のクラッパーが実証的に否定をしております。しかし、そうした中においてアニメの悪影響論が語られているという現状があるわけでございます。
 大臣、児童のアニメといっても、写真の被写体と違いまして、アニメのキャラクターに戸籍など年齢確認することはできないんですね。にもかかわらず、そうすると、これは児童ポルノだ、これは違うという形で、すべて警察、検察の恣意的な運用に任せられるということになってしまいます。特に日本のアニメというのは成人と児童との区別が付かない、そういう表現が行われているわけでございます。特徴的なわけでございます。なので、恣意的な運用が懸念をされるわけなんですね。
 過度なわいせつ物などはわいせつ物頒布罪などの現行の法体系で取り締まることが可能ですから、立法根拠のない法改正はすべきではないと私は思います。特にアニメやゲームというのは日本のコンテンツ産業の軸でもありますから、こうした産業育成の面からも、それから表現の自由の面からも、できる限り守られるべきであろうというふうに思います。
 ローゼン閣下とも呼ばれ、アキバの皆さんにも大変人気がある麻生太郎前自民党幹事長と盟友であられる鳩山大臣に、前段で質問した有害サイト規制なども含めまして御見解をお聞きしたいと思います。お願いいたします。

○委員長(遠山清彦君) 鳩山法務大臣、簡潔に御答弁いただきたいと思います。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は麻生太郎さんの選対本部長だったんですが、麻生さんのようにそういうことに詳しくはないんです。ですから、今の松浦委員のお話をずっと承っておりまして私なりに勉強しました。表現の自由の問題、我が国における、それは児童ポルノを処罰するという法律があるけれども、それを余り振りかざされると我が国独特の文化にも影響があるというようなことが御主張だと思いますし、まして実在をしない漫画的ポルノというんでしょうか、そういうものをどう考えるかということについても委員のお話をこれから参考にしていきたいと思っております。
 ただ、私はインターネット社会が来るなんて全く思っておりませんで、この間まで自民党で選挙制度調査会長をやっておりまして、インターネットを選挙運動に使っていいというふうにすると何が起きるかと。これは、なりすましだとか、要するに選挙妨害みたいなものがわっと押し寄せてきて何の規制もできないと。国内で規制しても外国へ行って飛んでくると。だから、恐ろしい時代になったなということを考えておりますので、すべて慎重に判断しなければならないと思いますし、松浦委員のお考えはよく分かりましたので参考にいたします。

15:28, Wednesday, Dec 19, 2007 ¦ 固定リンク


初質問!【法務委員会】10月30日(火) 〜秋田自殺対策と司法過疎、死刑制度について〜
○松浦大悟君 民主党、社民党から推薦をいただきまして、秋田県において初当選をさせていただきました無所属の松浦大悟と申します。どうぞよろしくお願いいたします。今日が私にとって初めての質問ということになります。よろしくお願いをいたします。
 まず、自殺対策について質問をしたいと思います。
 大臣、御承知かどうか分かりませんけれども、私の地元の秋田県は十二年連続自殺率が第一位、全国第一位が続いております。こうしたことの原因の多くは経済的困窮だというふうに言われています。中小企業の社長さんが会社が倒産し自殺をされる、あるいは一家の大黒柱のお父さんが借金を抱えて多重債務に陥り自殺をされる、こうしたケースが後を絶たないわけです。
 国では去年、超党派の議員によりまして自殺対策基本法ができました。内閣府を中心に自殺対策の体制づくりが行われました。秋田県においてもようやく行政が重い腰を上げまして、NPOとともに自殺対策に取り組み始めているところです。私は、全国で年間三万人以上の方たちが自殺でお亡くなりになっている、こうした事態、こうしたことはやはり異常だというふうに言わざるを得ません。自殺対策というのは私たちが早急に取り組まなくてはならない課題だというふうに考えています。
 そこで、大臣に質問があります。大臣は、自殺対策において法務省はどのような役割を果たすべきだというふうにお考えでしょうか。地方における弁護士不足を解消するために法テラスというものが開設されましたけれども、現状はまだまだ人手不足という状態です。自殺されたお宅に法テラスの弁護士さんが行かれて整理をされたところ、ああ、これぐらいの多重債務であれば幾らでも任意整理することはできたのにというケースがたくさんあるわけです。死ななくてもよかった人たちが身近に相談できる弁護士さんがいないということで命を絶たれている。
 大臣は所信において、三千人程度に増やす予定の司法試験合格者は多過ぎるのではないかというふうに発言をされました。法曹人口を減らすということになりますと、今までと同じように地方までは弁護士が回ってこないという状態が続くということになろうかと思います。自殺者の数はこれでは減らせないのではないかというふうに考えるわけです。大臣、この方向は果たして本当に正しい方向なのかどうか、大臣のお考え聞かせてください。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 初めての質問でいらっしゃるんですか。

○松浦大悟君 はい。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 立派な質問をされますね。
 私、実は二十八歳で初当選して、法務委員会に無所属で配属されて、最初に発した質問が、刑事局長や官房長や事務次官はなぜ検事じゃなければなれないんだと、検事以外になった例はないのか、そうでないと公務員試験に受かった法務官僚はやる気が出ないじゃないかというのが私の第一問であったのに比べると、はるかにレベルの高い質問されて、御立派な人柄がよく表れていると思います。
 ただ、先生に知っていただきたいのは、私は三千人については、先ほど木庭健太郎先生にもいろいろお話があって、よく考えてみなくちゃならない要素が多いと思いますが、昔五百人とか、その前は三百人とか、で、七百人ぐらいになっていくんですかね、それが。だんだん、いわゆる旧司法試験の合格者数が増えていった。ただ、これ、司法制度改革という中で飛躍的に増大させて、これは今、旧試験と新試験と両方合わせて今年で二千三百人ぐらいになった、二千三百人ぐらいが合格と。だから、以前に比べればもう信じられなく増えているわけです。それが本当に三千必要なのかということを私は申し上げているわけで、だからこれからも当分法曹の数、弁護士の数は飛躍的に増大します。
 ただ、そういうところが新たな自殺の原因になる、自殺の原因の一つが司法過疎、弁護士過疎という状況にあるとすれば、これくらいの多重債務だったら弁護士いれば救ってやれたのにという話があるというふうに先生のお話でありますと、そのいわゆる弁護士過疎の解消ということはやりたい、やらなければならない。日弁連が開業資金の、過疎地域で開業するときの無利子貸付けをされるという大変立派なことをされておりますし、法テラスの方も常勤弁護士を、まあ百人ぐらい雇っているのか分かりませんが、もっと雇ってそういう弁護士活動のところに送り込むとか、一生懸命やってみたいと思います。

○松浦大悟君 大臣、格差問題は小泉改革の負の遺産だというふうに言われています。地方ではそれが自殺という形で現れている。最後にすがる、よすがのその弁護士の数が足りないということは、本当に命に直結している問題なのだということを御理解いただきたいというふうに思います。
 続いて、死刑問題について質問をしたいというふうに思います。
 鳩山大臣の死刑自動化発言によりまして、内容の是非はともかく、死刑問題がクローズアップされました。これ、私、非常にいいことだというふうに思っています。なぜなら、一年半後にはいよいよ裁判員制度が行われるわけです。裁判員の審理の対象の多くは死刑にかかわるものだというふうに予定をされています。そうであるならば、国民はより広く、またより深くこうした死刑の実態について知らなければならないというふうに思うわけです。そうすることによって初めて適切な量刑判断ができるのではないでしょうか。
 質問なんですが、今現在、この死刑についてはどの程度の情報公開が行われているのでしょうか。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 理屈の上では国家の刑罰権というものは刑の執行そのものに限られるわけであって、その刑罰権の作用、それを超えて刑の執行を受けた者やその関係者に不利益や精神的苦痛を与えることは相当でないというふうに従来理論付けられてきたんだろうと思うわけでございます。したがって、執行された遺族の感情、あるいはここまで来たから次はおれかというような意味で他の死刑確定者の心情の安定とかいうようなことで弊害があると、こういう考え方で来たわけです。
 ただ、他方、国民の理解を得るためには可能な範囲で情報を公開する必要があるということで、現在は死刑執行後に死刑を執行したという事実と人数だけを公表するということになっております。ですが、今省内で勉強会をいたしておりまして、情報公開についても、あなたのような意見を取り入れて、少し考え直していこうかという空気はございます。

○松浦大悟君 では、海外においてはどのような状況になっているでしょうか。

○政府参考人(大野恒太郎君) 海外におきます死刑の情報公開の関係、網羅的に把握しているものではありませんけれども、私どもが調べて分かりました範囲では、例えばアメリカ合衆国のある州におきましては、死刑執行後に死刑の執行を受けた者の氏名、人種、性別、それから犯罪年月日、執行日や死刑判決から執行まで要した期間などについてホームページに掲載して公開していると、こういう例もあるというように承知しております。

○松浦大悟君 先ほど大臣おっしゃられたように、これまでは死刑囚のプライバシーの問題ですとか遺族感情をおもんぱかって情報公開を行うべきではないという議論があったかと思うんですが、私は次のステージに突入しているというふうに思うんです。まあそうした感情に最大限配慮をしなければならないということは申すまでもない話なんですけれども、この国が裁判員制度という制度設計をした以上、そのシステムが適正に作動するような、そういう条件整備をしていかなければいけないというふうに思っております。
 大臣、例えば昼御飯を選ぶときに、AランチかBランチか選ぶときに、そのランチの内容がエビフライなのかハンバーグなのか、それともカレーライスなのか分からなければ、ランチの選びようがありませんよね。この裁判員制度における量刑判断もそれと同じだというふうに思います。死刑といったものがどういう内容のものなのかということが分からなければ、これ判断のしようがないのではないでしょうか。
 例えばこういう話があります。ある歌手の人が下積み時代に喫茶店でアルバイトをしていました。その喫茶店にお客さんが来て、ウインナーコーヒーを注文されたんです。その歌手の方は当時、ウインナーコーヒーとはどういうものかということを知らなかった。それで、フライパンでウインナーをいためてコーヒーと一緒に出したんだそうです。ところが、そのお客さんは、それを黙ったまま食べてお店から出ていかれたということなんですね。つまり、そのお客さんもウインナーコーヒーとはどういうものかということを知らなかった。つまり、お互いウインナーコーヒーというのはどういうものなのか知らなかったにもかかわらずコミュニケーションだけが前に進んでいったという、こういう笑い話なんです。
 私は、裁判員制度においてもこうした事態になるのではないかというふうに危惧をしております。死刑についてよく知らない裁判素人の市民が死刑の実態を踏まえないコミュニケーションを重ねていくのではないか、大変怖い事態だというふうに思っています。私は、できる限り国民に死刑についての情報公開をすべきであろうというふうに考えます。本人や家族が了解をすれば、被害者遺族やジャーナリストなどの立会いを認めてもいいのではないか。もし受刑者が望むのであれば、カメラによる撮影も認めてもいいのではないかというふうに思います。もちろん、いつ、どこで、だれが処刑されたのかを事前に予告することは、まあこれは言うまでもありません。こうした完全情報がもたらされて初めて国民は、量刑についての判断ができるのではないでしょうか。
 裁判員制度が始まる前に死刑の完全情報公開をすべきだと思いますが、大臣のお考えを聞かせてください。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど丸山先生から、死刑の告知を三か月ぐらいにして、その中で確定した方に選ばせたらどうだという、非常に一つの考え方を示唆するものを御提起いただいた。で、あなたのおっしゃっていることは基本的に間違っていないと思います。つまり、裁判員裁判というのは、百円盗んだ、五百円盗んだという裁判に出てくるわけじゃないわけですから。死刑が刑罰に含まれる事件は一〇〇%裁判員裁判でやると。そのときにやっぱり死刑というのを、人を裁いて死刑という量刑をするというのがどういうことであるかということを、やっぱり裁判員の方にできるだけ分かっていただく必要があると。
 私は、ちょっと後付けみたいな言い方で良くないかもしれませんが、死刑とか死刑の執行というのはタブーであって法務大臣というのはそのパンドラの箱を開けないものだということを私にささやいた法務官僚はいましたけれども、なら、開けてやろうじゃないかと。やっぱり議論はした方がいいんですよ。それは死刑廃止論も聞かなくちゃならないと思って、それはもう覚悟の上で。
 で、いろんな議論があって、死刑というのはどういうものかと。その執行が、例えば私も知らなかったのが実はあるんですよ。絞首刑というのは、あれ、刑法の前の方に書いてあるんですね。私も大学で刑法は取ったんだけれども、随分前の方に、刑法というのは、死刑は絞首によって行うと書いてある。そういうこともみんなで議論をして、絞首が一番いいのか、ほかにもっといい、安らかな死というのはあるかどうかという議論だってしたらいいと思うんですよ。そのパンドラの箱を開けてどんどん議論する中で、結論はそう簡単に出るかどうか分からない、そういう中で裁判員制度を迎えたいと思うし、あなたが言う、だから死刑の執行についてもできる限り国民に知らしめたらどうだということも有力な意見の一つとして承っておきます。

○松浦大悟君 国民が死刑とはどういう内容のものかということが分からないから、今国民世論が激高しているんだというふうに私は思っています。死刑の完全情報公開をしてもなお国民が、それでも死刑を望むというのであれば、これは仕方がないことだというふうに私は思いますが、しかし私は、国民の多くは死刑の内実を知れば死刑について慎重にならざるを得ないというふうに思っています。その観点から、私は死刑の完全情報公開を求めたいというふうに思っております。
 次に、刑事訴訟法四百七十五条第二項は、死刑執行の命令は裁判確定の日から六か月以内にしなければならないと規定していますが、実際には平均七年以上掛かっています。時間が掛かっている理由と、その間どのようなことが行われているのか、お聞かせください。

○政府参考人(大野恒太郎君) 死刑の執行につきましては慎重を期するという趣旨から、刑事訴訟法四百七十五条第二項、今委員の御指摘ございましたけれども、このただし書では、上訴権回復、再審請求、非常上告又は恩赦の出願等がされ、その手続が終了するまでの期間等についてその期間に算入しないということが規定されているわけであります。
 判決確定の日から執行までの平均期間が七年を超えるということの理由の一つといたしましては、確定者の中には再審請求や恩赦の出願を再々行っている者がいるというような事情等もございまして、関係記録の検討等に慎重を期しているということがあるわけであります。それと同時に、現在、死刑の確定者数に比べまして執行者数が相当少ないという実情もございます。
 そんなこともありまして、死刑が確定してその執行がなされぬまま長期間を経過する者が増えているというような状況にあるわけでございます。
 以上です。

○松浦大悟君 つまり、人命を奪う不可逆的な刑罰であるから慎重になっていると。
 これは違法状態ではないということでよろしいんでしょうか、再度確認させてください。

○政府参考人(大野恒太郎君) 法の規定と開きがあることは、これは明らかでございますけれども、これが例えば国家賠償であるとかあるいは職務上の職責が問題になるというような、そういう意味での違法状態とは直ちに言えないんではないだろうかというように考えております。

○松浦大悟君 今、違法状態ではないという答弁がありましたが、大臣は週刊誌のインタビューにおいて、違法状態ですとか法治国家ではないという発言をされております。今もその考えというのは大臣はお変わりないでしょうか。

○国務大臣(鳩山邦夫君) 兄に、違法状態だぞと、放置するのかと、こう言われてかなり強い影響を受けておりまして、だけど逆に言えば、それは違法状態を解消しようといったら、じゃ半年間で百人以上かと、そんなことできないよというようなのが政治家同士の会話でございます。
 ですから、やはり違法に近い状態だという表現は取らざるを得ないでしょうね。だって、法律が要請している状態ではないわけですから。法の期待する状況になってない、違法に近い状態であるということは間違いないと思います。
 ただ、その規定の趣旨からいって、人の命を奪う不可逆的な刑罰でございますので、そこのところは違法とまで言い切れるかどうかというのは微妙なところだろうと思っておりますが、だから先ほどから申し上げておりますように、精査するのに半年間で本当にいいのかと、足りないんじゃないのという問題提起もいたしておるわけでございます。
 なお、委員長にちょっとお願いがあるんですが、質疑通告で、例えば先ほどからこの優秀な、私より優秀なお二人がおられますので、先ほど質疑通告がありながら質問がなくて非常にがっかりしておられる方もいますので、次回辺り、先生方にも、私より優秀な副大臣や政務官に答弁の機会を与えていただければ有り難いと、諸先生方にお願い申し上げます。

○松浦大悟君 大臣から御答弁いただきましたけれども、私は法務大臣が法律を破ってはいけないというふうに考えます。ですので、大臣は大臣就任中に何らかの形で処刑をされるものだろうというふうに考えております。
 何人処刑をされる予定なのか、聞かせていただきたい。長勢大臣、前任の大臣は十か月間に十人という異例の速度で死刑を執行いたしました。鳩山大臣も同じようなスピードで執行されるのか、それとも更にスピードを上げて百人強の死刑確定者の処刑をされるのか、それとも以前の法務大臣のペースに戻して慎重に対処をされていくお考えでしょうか。どの程度死刑執行を予定をしているのか、お聞かせください。

○委員長(遠山清彦君) 質疑時間は終了しております。鳩山法務大臣、簡潔に御答弁お願いいたします。

○国務大臣(鳩山邦夫君) それは、今慎重に考えております。処刑という言葉は何となく抵抗がありますので、刑の執行ということで考えております。

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