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2008年 8月
【法務委員会】6月5日(木)後半〜少年法の一部を改正する法律案について〜
○松浦大悟君 欧米では修復的司法が行われていますけれども、日本においてこれを導入するのであれば少年院だろうという声が非常に大きいです。アメリカでは、少年院から出るときに、おまえは社会に何をするのかと十項目の約束をさせたりだとか、被害者に対してどう贖罪をするのかと宣誓をさせたりしています。それをコーディネーターが見届けて、被害者も出席し、何度もミーティングを重ねてお互いにお互いを結び付けていくと、こういうことが行われているわけでございますが、日本の少年院においてこうした修復的司法は可能なのかどうか、取り入れることは可能なのかどうか。また、それが難しいとするならば、どういう条件をクリアすればこれを取り入れることは可能だと考えられているのか。そうした修復的司法についての研究というのはされているでしょうか。
○政府参考人(梶木壽君) 我々なりに、諸外国で努力をしておられるものを現場の教官を中心に勉強をしているところでございます。
先ほど申しましたように、これを修復的司法というふうに呼ぶのがふさわしいのかどうか分かりませんが、実態としては、少年の改善が進んで、少年が直接謝りたいという意向を漏らした場合には、先ほど申し上げたような点を慎重に検討して実施の可否を決めているところでございます。
これを実施する場合には、謝罪の手紙を出させるという選択をする場合もございますし、施設内で被害者の方と面会をさせるという場合もございます。それから、更に進んで被害者等の下に赴いて謝らせるというような手法をつくることもございます。
非常にセンシティブな部分を含んでいる、事案によって被害者と加害者の関係というのが千差万別であるということがありますので、慎重に事案、事例を積み上げて努力していきたいというふうに考えているところでございます。
○松浦大悟君 次に、非行や事件を起こした少年の実名が報道されると、大変社会に復帰する際の妨げになります。実は、今現在において少年審判では被害者遺族の意見陳述が認められていますけれども、大変混乱が相次いでいるそうです。
四月二十八日の東京新聞にこんな記事が載っています。ちょっと読み上げます。
少年審判での意見陳述を認められた被害者遺族が、審判廷で加害者の少年に物を投げ付けたり、閉廷後、ネットに少年の実名を書き込み、態度を非難したりするケースがあったことが、二十七日、日弁連少年法問題対策チームの調査や関係者の証言で明らかになった。悪魔、あなたが死ぬまで許さないなど陳述する被害者もいたという。政府は今国会に被害者の審判傍聴などを認める少年法改正案を提出している。これに先行して裁判官の裁量で審判での意見陳述を認めたケースで混乱が出ていることは改正案の審議にも影響を与えそうだ。
こういうことでございます。当然、被害者遺族の皆さんは加害少年に対して怒りを持っているわけですから、ばり雑言を浴びせたり収まらない気持ちをブログにつづるのは、これは当たり前だと思います。多分、傍聴を認めればこうしたケースは数多く出てくるのではないでしょうか。
少年法第六十一条では、審判に付された少年又は少年のときに犯した罪で公訴を提起された者について、氏名、年齢、職業、住居、容貌等、本人を推知させるような記事や写真を新聞その他の出版物には掲載してはならないとするとされております。
被害者遺族が少年の実名や生育歴をブログに書き込んだ場合、法務省はこれは勧告を行うのでしょうか。また、この新聞記事のケースでは勧告は行ったのでしょうか。お聞かせください。
○政府参考人(富田善範君) お答えいたします。
委員御指摘の新聞記事の件につきましては、少年又はその保護者からの被害申告もなく、私どもとして削除要請は行っておりません。
こういった事例についてどのような判断基準で行うかということになりますけれども、法務省の人権擁護機関では、インターネット上のブログ等において、名誉毀損やプライバシー侵害等に当たる悪質な書き込みがされたとして被害申告がされるなどした場合、プロバイダー等に対しその書き込みの削除を求めるなど適切に対応しております。
少年の実名がインターネット上のブログ等に書き込まれた場合、これは主として少年のプライバシー侵害の成否という観点から、関連する最高裁判例等を踏まえ、その事実を公表されない法的利益とこれを公表する理由とを比較考量し、その事実を公表されない法的利益が公表する理由に優越する場合に削除要請を行っております。
また、法務省の人権擁護機関がプロバイダー等に対して行う削除要請は、表現の自由に配慮し、被害者自ら被害の回復・予防を図ることが困難な場合に限って行っております。
本件につきましては、新聞等によりますと、一部実名等について削除、訂正等がされたりしておりますので、被害者自ら被害の回復・予防を図ることが困難な事案に当たるとは言えませんので、申立てがない以上、こちらから要請は行っていないということでございます。
○松浦大悟君 その基準、法律がどのように運用されているのかというのがよく分からないんです。
例えば、光市事件の本村洋さんが週刊新潮に少年の実名を書いたところ、法務省から勧告が来たといいます。しかし、ジャーナリストの日垣隆さんが文芸春秋に本村さんの奥さんと子供を殺した少年を実名で書いたにもかかわらず、勧告は来ていないといいます。
少年法第六十一条には罰則がありません。そうすると、書いた者勝ちになるのではないかというふうに危惧をいたします。法務省は、勧告するしないの線引きをどのようにされているのでしょうか。また、それは今後増えるであろうこうした情報流出に歯止めを掛けることになるとお考えになっているでしょうか、どうでしょうか。
○政府参考人(富田善範君) 委員御指摘のように、少年法六十一条では実名を公表してはならないということになっております。
先ほどのプライバシー侵害に関する公表されない利益と公表する理由の比較考量ということにつきましては、少年の実名に関する推知報道に関する平成十五年の最高裁判決に基づいております。
それ以前におきましては、基本的に少年法六十一条の利益は上回るという見解が大勢を占めておりましたので、法務省としましても、基本的に実名が公表されればそれは人権侵害であるといった勧告をしてまいりました。しかし、平成十五年の判例が出てからは、これは慎重に比較考量して判断すべきという判例が出ておりますので、それに基づき、各事例に応じて慎重に判断し、削除要請するかどうかを考えているところでございます。
○松浦大悟君 では、今回の法改正により、犯罪被害者等が傍聴できるようになった場合に、さらにブログやインターネット等を通して少年審判の中身を公表するようなケースがあった場合に、傍聴によって知り得た少年の氏名その他少年の身上に関する事項を漏らしてはならず、かつ、傍聴により知り得た事項をみだりに用いて少年の健全育成を妨げ、関係人の名誉若しくは生活の平穏を害し、又は調査若しくは審判に支障を生じさせる行為をしてはならないというふうになっていますが、この場合は勧告を行うのかどうか、具体的にはどのようなケースを守秘義務違反とされているのか、これに当たらない情報はどういうものなのか、教えてください。
○政府参考人(富田善範君) 考慮すべき事情としては、具体的には、少年の年齢や社会的地位、犯罪行為の内容、情報が伝達された範囲、少年の被る具体的被害の程度、書き込みの目的や意義、公表時の社会的状況、公表の必要性、その事実を公表されない法的利益などの様々な事情を個別具体的に検討することになります。
過去の事例において検討しました内容としましては、死刑、無期懲役等の判決が宣告され、重大かつ社会的関心が高い事件であって、元少年らがいずれも犯行当時年長少年であった、あるいは報道の時点で成人に達していた、あるいは殺人という重大な犯罪を犯した後、逃亡し、所在不明に至っており、被疑少年の早期発見という公益的要素があったとか、少年が既に死亡した後の報道であるといったような事情を考慮して勧告あるいは削除要請をしない事例がございました。
今後とも、そういった具体的事情を見ながらプライバシー侵害の有無を慎重に検討して判断してまいりたいと考えております。
○松浦大悟君 その場合には、どのような罰則が想定されているんでしょうか。
○政府参考人(富田善範君) 人権擁護機関の行うものは、任意の調査に基づく勧告、そして説示、あるいは削除要請ということでございまして、現在のところ罰則等があるわけではございません。
○松浦大悟君 結局のところ、名誉毀損罪ですとか民事的な損害賠償ということになろうかと思うんですが、民事はもちろん、名誉毀損罪も親告罪ですよね。そうしますと、少年側が訴えるということになります。そうしますと、審判を受けている、あるいは更生に向かっている少年側が犯罪被害者等を訴えるということになります。これは現実的には大変難しいのではないかというふうに思います。訴えたことによって、反省していないというふうに受け取られかねません。その後の社会復帰にも悪影響が予想されますが、こうしたことから何らかの制度的な担保が必要ではないかと思いますけれども、その辺りはどうお考えになっているでしょうか。
○政府参考人(大野恒太郎君) ただいま守秘義務違反等に対する制裁についてのお尋ねがあったわけでありますけれども、名誉毀損罪の告訴あるいは民事の損害賠償請求の提起につきましては、これは本来、少年が犯した非行あるいはその非行についての本人の反省の度合い等とは全く別次元の事柄であるというふうに考えます。
したがいまして、仮に被害者等が傍聴により得た情報を用いて関係人の名誉を毀損した場合、あるいは違法にプライバシーを侵害して関係人に損害を与えた場合には、やはりこれは少年やその保護者等により適切な対応がなされるのではないかというように考えております。
こうしたことも含めまして、今の損害賠償あるいは名誉毀損罪あるいはそうした義務違反の被害者に対しては、その後、審判の傍聴あるいは記録の閲覧、謄写等が認められなくなるだろうというような事実上の不利益等々にかんがみまして、それに加えて守秘義務に違反した場合の罰則を設けることにつきましてはなお慎重な検討が必要なのではないだろうかというふうに考えております。現在の記録の閲覧、謄写につきましても同じような問題が生じ得るわけでありますけれども、これにつきましても直接の罰則は設けられておらないということでございます。
○松浦大悟君 その情報が漏れた場合に、少年の更生や社会復帰に悪い影響があるというふうに考えますが、社会復帰のための被害の回復というのはどのように行っていくというふうに考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(大野恒太郎君) まずは御指摘のような情報が漏れるということがないように、この法律案では傍聴する者等に対し守秘義務が課せられ、また様々な担保措置が講じられているわけであります。
ただ、万一それでも漏れた場合にはどうするのかという、そういうお尋ねかと思いますけれども、少年につきましては、その更生や社会復帰を図るために、少年審判それから処遇の過程におきまして個別の事情がきめ細かく配慮されることになっております。万が一、審判の過程で少年に関する情報が漏れた、そういう事態が生じた場合におきましても、関係機関におきましてそうした事情も考慮の上、更に少年の更生あるいは社会復帰に向けて適切な対応が行われるというように考えております。
○松浦大悟君 それでは、審判の傍聴において遺族が物を投げたり、ばり雑言を投げかけたりするケースが続出しているわけでございますが、こうしたことについて今後どのような対処を行っていくのかを聞かせてください。
○政府参考人(大野恒太郎君) この法律案におきまして審判の傍聴を認める仕組みでありますけれども、裁判所が少年の年齢、心身の状態、事件の性質、審判の状況その他の事情を考慮してきめ細かく相当性判断を行うということになっておりまして、その中には、例えば被害者の気持ちが収まっておらずに少年に対する報復的な行動を取ることが予想されるような場合、こういう場合には傍聴を許可しないことになるんだろうというふうに考えております。
そういう判断を裁判所が行うに当たりまして、裁判所といたしましては、家庭裁判所調査官の調査報告書あるいは重大事件について行われる被害者調査の結果等を参考にするわけでありますので、少年の状態だけではなしに、被害感情等被害者側の事情、被害者と少年の関係についても十分把握できるのではないかというように考えております。
また、いったん傍聴を認めた場合でありましても、仮に被害者等が不当な行動に出た場合には、当然そういう行為を制止し、被害者に退席を命ずることもできるわけであります。
先ほど、非常に問題のある事例が続出しているのではないかという御指摘でありましたけれども、まれにそういう事例は生じた事実があったといたしましても、そういう事態が今後、今回の法改正によって続出するようなことにはならないんじゃないかというふうに考えております。
○松浦大悟君 結局、今被害者遺族の方たちは、事実を知るために民事の裁判を起こさなければならないというところに追い込まれているというふうに私は認識をしています。
この民事では、弁護士は少年に対して大変厳しい追及をいたします。弁護士の皆さんは、少年審判を対審構造にすると少年が萎縮するとか健全育成に良くないということをおっしゃるんですが、しかし、今現在においてすべてこれは民事でやられていることだというふうに私は思うんです。一方では健全育成ということを弁護士の皆さんは言いながら、一方では同じ弁護士の皆さんが民事の裁判において少年を厳しく追及している。反少年法的なそういう現場になっているというふうに私は思っています。
今回の法改正によって事実を明らかにすることがある程度できるということになるのであれば、こうした民事の裁判というのは今後少なくなっていくのかどうか、どのような見通しをお持ちでしょうか。
○政府参考人(大野恒太郎君) 被害者側が加害少年に対して提起する民事訴訟につきまして、もちろんいろいろな事情があるんだというふうに考えております。ただいま委員が指摘されました少年審判の記録を見たいという理由で民事訴訟を起こす事例もあるということは私どもも耳にしておりますけれども、一体そういう事例がどれくらいあるのか、数として把握しているわけではありません。
ただ、今回少年審判の傍聴が認められ、また少年保護事件の記録の閲覧、謄写が拡大されるということによりまして、仮に審判記録を見たいということで民事訴訟を提起するというような被害者の方々がおられたとすれば、今回の制度改正によって記録を見る、記録を確かめたいと、審判の中身を確かめたいという要望は相当程度満たされるのではないかというふうに思いますので、そうした理由からの民事訴訟は提起されなくなるのではないかというふうに考えております。あくまでもこれは推測でございます。
○松浦大悟君 続いて、修正案部分を中心にお話を伺っていきたいと思います。
家庭裁判所による被害者等への説明について質問いたします。
説明する側は犯罪被害者等基本法の趣旨にのっとり説明に当たるべきであり、間違っても被害者等に対して二次被害を負わせるような対応をすることがないよう、この点、ある意味特殊な専門的技能が必要ではないかと本会議でも指摘をさせていただきました。懇切を旨として、和やかに行うのは加害少年に対してだけでなく、被害者に対してはそれ以上に懇切に説明することが必要になるかと思われます。
実際の運用については最高裁で検討されると思いますが、修正案の提案者としてはどのような点に留意されて検討されることを期待しておられるでしょうか。
○衆議院議員(細川律夫君) 家庭裁判所による被害者等への審判の状況を説明をすると。この修正は、傍聴された方はまだその状況が分かると思うんですけれども、傍聴が許されなかった、許可されなかった、あるいはまた傍聴して真実を知りたいと思っても、法廷で加害者と目を合わすのはできないような、そういう心理的状況にある人などは傍聴できませんから、そういう方に審判の状況を説明してもらって、それでその中で被害者等が知りたいことが説明をしてもらえると、こういうことでこの修正ができたわけです。
そこで、犯罪被害者基本法でその理念というのは、やはりすべての犯罪被害者は個人の尊厳が重んじられ、その尊厳にふさわしい処遇が保障される権利を有すと、こういうことでありますから、当然、説明を受けるときには説明する側は十分そのことを配慮して、二次的被害が起きないようにすることはもちろん、懇切丁寧に説明をすべきだというふうに思っております。そのためには、いろいろな犯罪被害者の方の心理を十分にまた裁判所の方も研修などで身に付けていただきたいというふうに提案者の方は思っております。
○松浦大悟君 最高裁としてはどのように運用するつもりなのか、どのように説明をされるつもりでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) お答え申し上げます。
今回の修正案に基づく被害者等に対する説明制度の運用についてお尋ねがございましたが、この制度が導入された場合には、実際の制度の運用につき必要な検討を行った上で、二次被害を与えないようにすることを含め、制度の趣旨を踏まえ、被害者の方の心情に十分配慮した説明がされるよう努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○松浦大悟君 次に、調査官について伺いたいと思います。
被害者遺族の方たちからお話を伺いますと、どうも今の調査官制度では限界があるのではないかというふうに私には思えます。調査官が被害者の声を全く聞いてくれない、被害者側の情報を裁判官に上げてくれない、こちらから出向いても追い返される、こうした積もりに積もった不満が調査官への不信感につながっているんだろうというふうに思います。
実際のところ、法務省にはどのような苦情がどれぐらい届いているか、これは最高裁に伺いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) お答え申し上げます。
委員御指摘のような苦情は恐らく各裁判体の審判運営上の判断に関するものと思われますが、事務当局といたしましては把握しておりません。
以上でございます。
○松浦大悟君 これだけ週刊誌やいろんな本で指摘をされていることなんですよ。これを把握していないということはどういう状況に最高裁としてあるのかということを疑ってしまいます。
たくさん苦情が届いていると思っていましたので、そうした意見を踏まえてどのような改善、研修が行われているのかということを質問しようと思ったんですが、状況が分かってないんじゃ、これ質問できませんね。どういうことなのか、最高裁の中はどういう状況なのか、伺わせてください。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) 平成十二年改正少年法で被害者配慮制度が導入されたことも踏まえ、近年、全国の裁判所におきましては、犯罪被害に遭われた方やその御遺族、あるいは被害者支援に携わっている方、さらには犯罪被害者問題に関する専門家等のお話を直接伺い、家裁調査官を含めた個々の裁判所職員が被害者の方の心情や痛みというものを理解して応対するための研究会あるいは研修等を実施しているところでございます。
今後も、被害者の方の痛みやつらさといった心情に少しでも理解が深まっていくよう、職員に対する研修などを実施してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○松浦大悟君 加害者に対しては調査官の皆さんはお話を聞くということはあるけれども、被害者に対してはそういったお話を聞くという意識を持っていらっしゃらないのではないかと思えてなりません。
昨日も家庭裁判所の調査官の方が要望書を持ってこられましたけれども、これからは加害少年、被害者等に双方に向き合うことになるわけです。家庭裁判所の裁判官や調査官の方々の負担もかなり増えていくのではないかと思います。被害者等の要望にきちんとこたえられるような、そうした体制にしていくためにも充実をさせていかなければならないというふうに考えるんですが、修正案の提案者としてはどのように期待をされているでしょうか。
○衆議院議員(細川律夫君) その点につきましては、裁判所の調査官などの仕事の量も増えるでしょうし、また、被害者の気持ちをよく理解するためのそういう専門的な、学問的な研修もされなければいけないと、そういうふうに思います。そうしますと、やはり現在の人的な人数ではとても対応ができないんだろうと、そのためには思い切った人員の増員も必要であろうというふうに思います。そういう意味では、私どもとしては、被害者の皆さんにきちんと対応できるような人的な増員をきちっとできるように望んでおるところであります。
○松浦大悟君 今、その人員を増やす必要があるだろうというお話がありましたが、最高裁に伺います。
現在、既に人は増えないのに仕事は二倍に増えたという調査官の皆さんの声も聞かれます。少年審判における被害者等の傍聴により、更に仕事量は増えると思います。例えば調査官の人数を増やす、あるいは加害少年側と被害者側、別々の調査官を付けて複数制にするなどのやり方、様々考えられると思うんですが、最高裁としてはどのように改善していくお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) お答え申し上げます。
これまで家庭裁判所の人的体制の確保に努めてまいりましたが、今後とも、今回導入されることになる制度の詳細や、あるいは制度実施後の運用状況、さらには少年事件の動向等を踏まえまして、必要に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。
以上です。
○松浦大悟君 今までの議論の流れからいって、人員を二倍に増やすというふうに解釈してよろしいですね。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたように、今回の導入される制度の運用状況や、あるいは少年事件の動向等も含めて十分検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○松浦大悟君 それはいつまでに検討されるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) 今回の新しい制度が導入され、その後の運用状況を十分見極め、さらには先ほど申し上げました少年事件の動向等も見極めながら検討してまいりたいと考えております。
○松浦大悟君 それは一年ですか、二年ですか、十年ですか。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) それは、これから導入してどの程度の今度の制度の利用者が増えるか、そういったことも含めて検討しなければなりませんので、一年なのか二年なのか、そこら辺については今の時点で確定的なことはお答えできないことは御理解いただきたいと思います。
○松浦大悟君 そうすると、十年の可能性もあるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(二本松利忠君) その十年というスパンがどういうことで出てきたのか分かりませんが、先ほど申し上げましたように、必要があれば一年後でも対応することになるでしょうし、それは三年後ということもあり得るかと考えております。
以上です。
○松浦大悟君 十年後と言ったのは、あなたがやる気がないのではないですかといった私の皮肉です。
続いて、付添人について質問をいたします。
家庭裁判所が被害者等の審判傍聴を認めるには、付添人の意見をあらかじめ聴くという慎重さが必要だと私は思います。一方、多少懸念があるのは、私の事務所にもファクスや郵便で大量に各地の弁護士会から反対意見が送られてきていますが、被害者等の支援を主に活動されてきた弁護士の皆様以外の弁護士会の多くが今回の少年審判における被害者等の傍聴に反対していることです。弁護士である付添人の多くもこのような考えを持っておられるかもしれません。実際は、その少年ならば心身に及ぼす影響がないような場合でも反対するようなケースも出てくるかもしれません。
そこで質問ですが、家庭裁判所は付添人の意見にどの程度左右されるんでしょうか。もちろん全く影響されないというのも問題だとは思いますが、必ず拘束されるというのも問題ではないかと思います。修正案提出者のお考えを聞かせてください。
○衆議院議員(細川律夫君) 少年審判の傍聴というのは少年にとっては大変大きな問題でございますから、したがって、判断するためには専門の弁護士を付添人として付けて、そしてその意見を聴くということにしたわけでございます。
そこで、裁判官がその付添人の意見にどの程度拘束されるのか、あるいは拘束されないかということにつきましては、それはそのときそのときの事件の内容によっていろいろその裁判体が判断をすることでありまして、付添人の意見に拘束される、あるいは拘束されないというような形での裁判官の判断では私はないと。裁判官が独自の自由な判断で少年の健全な育成に阻害がある、可能性があるとなればそれは許可をしませんし、そうでないということで相当というときには許可をされると、こういうふうに裁判官が判断をされると思います。
○委員長(遠山清彦君) 松浦大悟君、質疑時間、終局しております。
○松浦大悟君 今回の法改正で弁護士の皆さんもお考えを変えていかなければならない部分も出てくると私は思います。今後どのように弁護士の皆さんが被害者等の傍聴に対処されることになるのか、期待をしたいと思っております。とにかく、これは少年法の精神を守りつつ被害者遺族の方たちの尊厳も守るという、この両方を両立させていかなければならない話だと思いますので、そのことを改めて確認をさせていただき、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
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12:18, Tuesday, Aug 05, 2008 ¦ 固定リンク
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